to be continued
「この赤熊は多分、もっと深層でも奥の方の魔物だろうな。大方、生存競争で負けて、楽な深層の浅い方で生活してたんだろう。」
森の深層と言っても、この赤熊は頭ひとつ抜けて、強い気配があった。
本当の生息域はもっと森の奥なのだろう。
「お前は深層の魔物らしく、油断も隙もなかったけど、同時に余裕もなかったな。」
この赤熊は浅いところで雑魚狩りばかりしていて、野生として鈍っていたのだろう。
「それにしても、毒使って殺しちまったけど、これって食っていいのか?
まあ、アッシュの鼻に任せるか。」
仁の使った毒は、深層で熊をストーキングしていた時に見つけたもので、熊が食べずに通り過ぎた中で、アッシュの鼻毒センサーに一番引っかかった赤いベリーに魔力強化を使うことでさらに毒の力を増させたものである。
「深層の浅いところから、毒の赤いベリーをなるべく採取したら、さっさとこの森から出ていくか。アッシュ。」
「ワン!!!」
「まあ、それは明日からでいいだろう。今日は疲れたしな。それにしても、この熊肉はどんな味がするんだろうか?」
「ワン、ワン」
「そうだな、他の肉と食べ比べてもいいな。」
ーーーー1週間後ーーーー
「ステータスオープン」
川村 仁 24歳 レベル22
ジョブ 配達人
スキル 高速習熟 収納5 気配隠蔽3 気配察知3 並列思考2 体力回復5 魔力回復3魔力操作4 魔力感知3 魔力隠蔽2 身体強化4 投擲3 毒耐性3 槍術2 斧術2 剣術4 盾術3 石工1 影魔法3 火魔法1 水魔法2 風魔法1 土魔法3 回復魔法3 魔力強化4
「おっ24歳になってる。レベルが結構上がっているな。毒耐性が3になってる。やっぱり、加熱処理しても、赤熊に毒が残ってたんだよな。アッシュもしかして、俺に毒耐性をつけさせるために毒を食わせてたのか?」
「ワン!!!」
「まあ、確かに結果オーライだな。それより、毒物をある程度採取したし、さっさとこの森を抜けるか。」
「ワン!!」
「高い木から、森を見渡してざっくり行き先決めて森を出るか。後、気配察知の弱い方へ。アッシュとりあえず、今日から、全速力で走っていくぞ。」
「ワン!!!」
ーーーーーー2週間後ーーーーー
「まさか森を抜けるのに2週間もかかるとは、結構本気で走ったんだけどな。
森広すぎるだろ。それとも、どっかで迷って同じ場所散策してただけかもしれないな。」
森を抜けた先には目一杯の平原が広がっていた。
「牛の群れと羊の群れがいるぞ。アッシュ今日からは別ぼ肉が食えるぞ。」
「ワン!!」
「羊の毛を刈って布団も作りたいな。服作りにも挑戦して野蛮人スタイルからも卒業したい。」
「ワン!」
「アッシュ専用の布団も作ってやるよ。アッシュ人里に降りる前にやらなければならないことがある。それは何だと思う?」
「ワン!!」
「強くなるか。それも正しいことだろうな。実際俺たちは、普通の人間の強さが分からないからな。しかし、違う。一番正しいことは盗賊を殺すことだ。」
「ワン?」
「なぜかって、それは簡単だ、情報も、お金も、武器も服も生活用品も全て盗賊が持っていて、殺しても誰の恨みも買わないからだ。」
「ワン!!」
「そうだな。まずは盗賊探しからだな。」
仁は森を背に平原に走り出した。
ーーーー第一章野蛮人編完ーーーー
ーーーー第二章盗賊がりへーーーー
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