ガチムチゴブリン
俺は今、筋肉ゴブリンの後を追っている。
筋肉ゴブリンとは身長は2mを越える筋骨隆々のゴブリンで幅広な大剣を持っている。
彼の周りには常に30匹以上のゴブリンが付きまっとている。
俺は以前、このゴブリンをゴブリン虐殺の調査に来たのだとばっかり、思っていたけど、そうではない。
こいつらが、独自に独立した。群れなのだ。
俺が、この筋肉ゴブリンを殺す理由は単純で、こいつの持っている。大剣が欲しいから(略奪)。
あの時は、こいつの強大な気配に恐れをなしたが。今は違う。
あの頃と比べ格段に強くなったのだ。
だから、俺はこいつの大剣を奪うためにもこいつに勝てなければならない。
「まあ、こいつが寝てる時に暗殺するだけだけど。」
違う労力で、同じものを得るなら、楽な方(暗殺)を取るのが当たり前だろう。
特に、この森では余裕を失ったものから、死ぬのだ。
「アッシュ、お前は、筋肉ゴブリンを殺した後に残った、ザコゴブリンを任せたぞ。」
「ワン!!」
この作戦の成功率はおそらく100%。
あの筋肉ゴブリンがパワー系バカだからだ。
あいつは、子分ゴブリンを肉の盾に使うだけで、子分ゴブリンが少なくなったら、野良ゴブリンで補充する。
この繰り返しなのだ。
つまり、あいつはずっと子分ゴブリンに守られている。
この森では群れを作る動物より単独でいる動物(はぐれ狼や巨大猪など)
の方が気配や魔力に敏感なところがある。
「筋肉ゴブリン。お前がもし一人もしくは数秘で行動していたら、お前を襲わなかったけど、今のお前はとても弱そうに見えるぞ。」
ーーー夜、筋肉ゴブリンの群れへーーー
筋肉ゴブリンは、子分ゴブリン達に囲まれて寝ている。
7匹ほどのゴブリンは、焚き火をしながら、周囲を警戒している。
ザサッ ザサッ
周囲を警戒していたゴブリンは、少し、腰を浮かせて、音のする方を注意して見る。
ザッ
音のする方から出てきたのは、ただのツノ付きウサギだった。
安心した、子分ゴブリン達は、浮かせた腰を地面に落とそうとした時、
ザシュ!!
大きな斬撃音が背後から聞こえて、振り返ってみると自分達の群れのボスの巨大なゴブリンの首と胴体が離れているではないか。
あまりの現実に、少しの間呆然としていた。
そして、その少しの時間が、見張りをしていたゴブリン達にとって命取りになる。
おそらくは、狼と思われる動物に瞬殺されたからである。
異変に気付きゴブリン達が、目を覚ますが遅すぎる。
群れのボスを殺した、暗殺者にとって、あまりにも行動が遅すぎた。
およそ2分後あたりは、濃厚な血の匂いが漂うになり。
生きているゴブリンは、存在しなくなった。
ーーーー大剣を略奪してーーーー
「無茶苦茶簡単に、大剣を盗めたな。一番強いゴブリン殺したら、あとは雑魚だし、その強い奴も油断しまくってたからな。これだったら、3日間も監視は要らなかったな。」
仁は、手伝ってくれた。アッシュに魔力猪肉をあげながら、奪った体験に前欲を流していた。
「おお、俺が前使ってた。剣より魔力伝導率が高いな。金属の質が違うのか。
それとも、俺にあってるだけなのか?」
仁は、アッシュから離れ、大剣を軽く振って、調子を確かめる。
「うん、単純に剣の大きさが違うだけで普通に使えるな。でも、ちょっとひらけた場所じゃないと使えないな。」
森の中で、この大剣を振り回すには大きすぎるため。
森の中では、今までと同じ剣を使うと仁は判断する。
「アッシュ。明日からは深層の浅いところで調査を始めるぞ。」
「ワン!!」
「あの赤熊を殺せるようになったら、とりあえず。森を抜けて人里を探しにいくか。」
仁は、異世界に来たからには、異世界らしいことがしたいのだ。
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