ムキムキ

「なんだ、あの男は?ん?いや周りにゴブリンがいる?」


よくみたら、肌が緑黒い。

周りにゴブリン30匹ぐらい引き連れてるから、あいつは、ゴブリンの進化系か?


「今、動いたら俺に気づくかもしれん、息を潜めるか、狙撃するか、とりあえずあいつらの行動次第だな」


背後に大剣を背負い、筋骨隆々な巨漢ゴブリンは、他の普通のゴブリン達に何か指示して、それぞれに辺りを散策させる。

指示を受けたゴブリン達の何匹かはこちらの木に近づいてくる。


「もしかして、俺の存在に気づいているのか?いや、気づいているなら、辺りを散策させるんじゃなく、こちらに真っ直ぐくるだろ。とにかく今は、息を殺すか」


近づいてきたゴブリン達がある程度、散策させた後、巨漢ゴブリンに指示を出され、元の群れに戻っていた。

そして、巨漢ゴブリンと普通ゴブリン達は違うところに散策し行った。


「ゴブリン虐殺しすぎて、ゴブリンの長とかが様子見しにきたのか?当分は大人しく、ゴブリンをほっとくか、替わりに狼殺しでもしとくか。」


狼はゴブリンよりも素早く、強靭な上連携が上手いのでゴブリンよりは難易度は高い。さらに狼は察知能力に優れているため、安全に殺せるとなると、2体が限界だった。


「数日は、様子見して、魔力操作だけの訓練で我慢するか」


ー3日後ー


「これぐらい経てば、巨漢ゴブリンはどっかにいってるだろう。」


俺が生活している森はバカ広いので、散策するとしたら、同じ場所に長居はできないだろう。


「それにしても、あいつら俺を探していたのか?もしくは、他の何かを探していたのかわからんな。まあいい、毎朝恒例のステータスオープン」



川村 仁 23歳 レベル10


ジョブ 配達人


スキル 高速習熟 収納4 気配隠蔽3 気配察知2 並列思考1 体力回復3 魔力操作3身体強化3 投擲2 毒耐性1 槍術1 斧術1 剣術1 石工1 影魔法1


「おっ魔法使えるようになってる。魔力初心者が魔力操作3まで鍛えたのがよかったのか?影魔法ってなにができるんだ?」


仁はゴブリンが魔法を使える理由は魔法世界に生まれたからだと考えている。

おそらく、魔法を使える神経が発達しているのだろう。

そもそも、魔力とはただのエネルギーみたいなものなので、扱う感覚は難しい。

液体、気体、固体、プラズマでもなく、ただのエネルギー。なんだコレ?


「異世界に来てから、息をひそんで生活してきたから、影魔法が生まれたのか?とりあえず使ってみるか」


『影魔法』心の中でそう唱えると自分の影が少し伸びた。


「えっ!?これだけ?流石にこれだけじゃないだろ。」


それから、影魔法を訓練しても、自分の影を少し伸ばすことしか、できない。


「まあ、俺が魔法使えるとわかっただけでも、大収穫か。とりあえず、これからは他の魔法も使えるか頑張るか。」


この日から、魔法の練習に当てる時間が増えていった。


「ゴブリンがいなくなったから、肉料理が食えんな、でも、俺が安全に探索できる範囲も、色々試したから食べれる植物も虫も増えたから、とりあえず、火魔法ができるまで頑張るか。」


魔法の練習をするといっても、魔力に限界があるため、また、自然界で生きるため、いつでもある程度は魔力に余裕を持たせるため

1日にできる、魔法訓練は1時間もなく、

他は、魔力操作や投擲、近接戦闘、服造りで時間を潰した。


二週間後、俺はついに火魔法を習得した。



「まあ、指から蝋燭の火が出るだけなんだけどな。」


昼間に大声で魔力操作しながら、ファイアーボールと叫んでいたのが良かったのだろうか?


「やっぱり、影魔法を使って、魔法の感覚(神経)みたいのが、鍛えられてたのか?」


なんでもいいか、これで明日から、肉食い放題だし、お湯も沸かせるから、体や服を清潔にできる。俺の生活の文明が上がる気がした。

今までは、マインクラフト初心者みたいな生活だったから。

油だらけの顔を大きく、歪めて大笑いした。

もちろん、気配隠蔽しながら。

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