急成長

「ステータスオープン」


川村 仁 23歳 レベル2


ジョブ 配達人


スキル 高速習熟 収納2 気配隠蔽1 気配察知1 並列思考1 体力回復2 魔力操作1 身体強化1 投擲1 毒耐性1 


異世界転移して、1日が24時間だとすると大体3日ほどだな。とにかく、野生動物か食べるもの観察してそれを食べる。無理だったら吐き出して何が食えるか把握する。そして暇な時間はとにかく色々と実験する。

魔法はいまだに使えんから、火が起こせない。ゴブリンが火魔法を使って焚き火していた。なんか、腹立つ。

おそらく、ジョブの配達人が関係していて、魔法が使えない、もしくは習熟に関して遅いのではないかと思う。

蟻や芋虫を食うために殺してたら、レベルがあっがてた。あんまり、体にはあんまり変化がない。


「お、体力回復が2になってるじゃん」


体力回復はとても、かなりありがたいスキルで木の上で野生動物の声にうなされながら、短い睡眠を繰り返す。だけでも、次の日には、体力が戻っていたり。

一日中、森を気配消しながら、動き回っても、そこまで疲れない。

このまま、体力回復が成長すれば、一日中、活動できるかもしれん。


「でかい石発見、収納っと」


収納は基本肌で触れているものは、収納することができ、スキルレベルに比例して、収納できる容量が増えるようだ。収納していたものを出す時も同様に、基本体の肌から出る(どこから出すか意識で変えられる)。


「やっぱり、スキルレベルの上がり方からして、ジョブの配達人が絶対影響してるよな。魔法も使えんし。とりあえず、水分に関しては、果物やきのこ、蟻である程度、取れてるけど、このまま、だったらカロリーが圧倒的に足りない。芋虫しか貴重なタンパク源がない。」


巨大な猪は殺せなくとも、小さい、ウサギや蛇ならば殺すことはできるが、なにぶん火魔法が使えないため、火が使えないので、肉を食うことができない。


「やっぱり、ゴブリンを殺して、焼いた肉奪った方がいいか。でも、ゴブリンの強さが分からん。でもこのままじゃ、ジリ貧だしな。ほんと、火魔法が使えたらいいんだけど。」


異世界あるあるスキルの鑑定が使えないので、相手の強さの物差しがない。こう言う時、仁は基本、無茶をしないのだか、このままだとカロリー不足で体が弱ってしまう。


「ジョブの配達人は、たぶん肉体労働だよな、だから、身体強化はたぶん上がりやすいだろうから、身体強化のスキルレベルを上げて、デカい石を投擲して、ゴブリンを殺して焚き火を奪うか。石を投げて、木にある程度傷つかせることができたらいいだろう。失敗したとしても、気配隠蔽して逃げればいいだろう。」


翌日からは、身体強化と投擲、そして、ゴブリンを殺す練習兼レベルアップのために小動物を気配を消して、木の上から石を投げて狙撃したり、木に石を思い切り投げたりと異世界に来て、おそらく野球は上手くなっただろう。



3日後 ー朝ー


「ステータスオープン」


川村 仁 23歳 レベル3


ジョブ 配達人


スキル 高速習熟 収納2 気配隠蔽2 気配察知1 並列思考1 体力回復3 魔力操作1 身体強化2 投擲1 毒耐性1 


「身体強化のスキるレベルやっとあがった。意外に時間かかったな。これでとにかく今夜、ゴブリンの焚き火を奪ってみるか。」


作戦としては、単純でヒットアンドアウェイ。気配隠蔽して、木の上から、収納で手から石を出して、身体強化しながら投擲。一発で殺せなかったら、身体強化を使って逃げる。

ゴブリンの数は最大3匹。それ以上は無視。最初、ゴブリンを小動物の死骸で誘導して。落とし穴でも設置しようと思ったが、狙撃の練習で殺した小動物を放置していたところには、半分の確率で狼がくる。

1匹の野犬と成人男性の強さが同じらしいから、異世界の狼には、道具もないしょうもない罠では、おそらく対処しきれないだろう。


ー夜ー


朝、昼の間に3匹のゴブリンを幸運にも見つけることが出来た。しかも、3匹のうち一人は小型のナイフを持っていた。もし殺して奪うことができれば、小動物を解体する時に使える。

夜、こいつらが焚き火するまで尾行した。そして、木の上で気配隠蔽しながら、3匹を投擲できる、スポットに移動。


「ぐぎゃぐぐ」

「ぐぎゃ」

「ぐぐぐぐ」


3匹のゴブリンは、焚き火をして、おそらく彼らの晩飯であろう肉が見えた。彼らは、肉を焼いて、3匹は肉を食べ始める前に、気配察知で周囲の魔物を確認する。今のところ、強い気配はゴブリン3匹以外には感じない。

じっと待っていると、肉が焼け、ゴブリン達が肉を食べ始めた。

仁はゴブリンたちが最も油断している時間はここだと思い、木の上から、3匹のうち小型のナイフを持っているゴブリンを狙撃した。


ゴンっ!


ゴブリンはおそらく、一撃で頭蓋骨が砕かれたのであろう、即死だった。

この結果に仁は内心、喜んだが、戦闘中のため即座に残り2匹のゴブリンに意識を向け狙撃する。


ゴンっ!


食事中に仲間が殺されて混乱していた1匹のゴブリンが死ぬ。

最後のゴブリンは、そこで、逃げ泣ければと思い、腰をうかし、走ろうとした瞬間。


ゴンっ!


最後のゴブリンも死んだ。仁は即座に気配察知を使い、周囲を警戒する。そこで、周りに強い気配がないことから、安堵し、ゴブリンが持っていた、小型のナイフと地面に落ちている、ゴブリンが食っていた肉、またゴブリンの死体を収納して、即座にその場を離脱しようとする。

あまりにゴブリンを殺した時の血の匂いがすごく、狼が自分の気配察知の外から、猛スピードでこちらを襲ってきたらひとたまりもないと思ったからである。


「でも、一応、焚き火の木に向かって、収納使ってみるか。『収納』」


しかし、火のついた焚き火のきは収納できなかった。よって、この場を即座に離脱。ある程度、距離を空けて、木の上に登り、戦利品の肉を確認する。

その肉は地面に落ちていたため、土がついており、さらにゴブリンが途中まで食べていたため、これを食べると、ゴブリンとの間接キスになる。

仁は土を払い、服である程度、肉を拭くと、かぶりついた。

血抜きが下手だったのか、とても血生臭く、食えたもんではなかったが、背に腹は変えられず、実に6日ぶりの肉を堪能した。


「やっぱり、調味料って偉大なんだな、せめて塩があれば、もうちょっと、ましになるんだけど。それにしても、今日は、異世界にきて、大きな一歩だったと思う。油断せずに明日も頑張るか」


仁は、木の上で、気配察知を使いながら、朝居眠りについた。





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