1秒を君と過ごしたい

夜空 流星

18歳で高校卒業の時君の存在の大きさに気づいた、気づいた時にはもう遅かった。 あの時の後悔で頭の中が埋め尽くされる、「1秒でも長く君と過ごしたい」と。


12歳の時近所の中学に入学した。

大人に近づいた気で舞い上がっていた僕は、勉強が大嫌いで苦手だった。小学生の頃から宿題も出せず授業は寝てテストでは0点の数も少なくなかった。

そんな僕だから、中学に入ってもろくに勉強せず毎日授業では寝ていた。

部活はバスケ部に入っていて僕のバスケ部は結構生活面をしっかりしなければならなかった。そんな事があり提出物はある程度出せていたので成績2をキープしていた。

こんな生活を何ヶ月も過ごし中学1年生と言う幕が閉じようとしていた。

友達同士で「お前と離れたら俺話せる人良いひんねんけど」など話をしたりして幕は閉じた。

そして中学2年生に上がった頃「うわー気まづー話せる人ほぼおらんー」など独り言を呟いていた。そして「このクラスの担任をします 宜しくお願いします」と先生が挨拶をする。

皆も「宜しくお願いします」と言葉を返す。

「あと2年間で卒業よし頑張ろう」そう思った。

そして数日後、2時間目が終了し3時間目は移動教室だった。各4人で班が作られて行き自分の班は全然話した事の無い人しかいなかった。そして気まずいから仲良くなろうと3人と仲良く話していた。その3人の中僕の斜め左に座っていた子がずっと笑顔で笑っていて、その笑顔に引き寄せられるようにその子の事が好きになった。初めはそんな感じで何となく好きになっていたので、話すのも恥ずかしかった。

今まで寝て過ごしていた授業がその子のおかげで楽しく過ごせて授業で寝る事は、ほぼ無くなった。

そして中学2年の三学期僕は、彼女に自分の気持ちを伝えた。

しかし現実はそう甘くはなくて、僕の恋は儚く散ると同時に中学2年の幕も閉じた。

それからと言うもの、彼女を忘れようと僕は何ヶ月も連絡を取らなかった。 しかしいつも頭の片隅に彼女の楽しそうな笑顔がもう一度みたい、そんな思いがあった。

彼女の事を忘れようと思えば思うほど気持ちは強くなり、逆に意識しなければ彼女が頭の中に残り続ける僕はそんな日々を過ごし気づけば1年と言う年月を過ごした。中学3年生では、彼女とクラスが離れ学校に行く生きがいが無くなり学校に通う事すら無くなった。

そのせいで成績は、1が何個も付いていた。

なので、高校は、公立に受からず私立に行く事となり彼女とは離れ離れになった。

そして高校に入って気づいた事があった。

中学では、クラスが違っても廊下で彼女を見かける事がありたまに声も聞けた。

しかし高校に入り彼女を見かける事すら無くなった。その寂しさに耐えきれずスマホを手に取り彼女にメールを送った。

「久しぶり!!元気にしてた?(笑)」

何分いや、何時間後かに、

「久しぶりー元気ー笑」

そう返事が帰ってきた。今思うとこの返事は、好かれてないなと思うがその時の自分は、返事が来たと言う喜びから一切そう思わなかった。

それから何十回何百回もメールを送り話すようになり、僕のちっぽけな高校生活に少し君が入って僕の中でアスファルトに薔薇が咲いたような気がした。

そんなこんなで高校入学から1年が立ち僕の彼女への思いがより一層深まっていた。そして

付き合いたいと言う感情から、君を守りたい。とゆう感情へと変化するように僕の中で考えが少し成長していた。

そしていつの間にか高校3年生になっていた。勿論ここに来るまで何度も告白をした。しかし全て空振り三振。まるで君は、プロ野球選手か何かなのだろうか。それはさておき、高校3年生では、将来についてしっかりと考える時期なので周りの皆も自分も何をしたいか真剣に悩んでいた。僕は高校卒業して何処かの会社に働く気で居た。

そして三学期僕は正社員としての面接を行い

1週間後自分の携帯に電話の音が鳴り響いた

手に取ると、3月から社員として宜しくお願いしますと伝えられた。

僕は、「おっしゃー!将来安定!」そうはしゃいで居た。

そして高校卒業を迎えると同時に彼女との連絡も無くなった。

それから月日が流れ上司から飲み会に誘われ恋愛に付いて話した。

「お前社内に好きな人とか出来た?」

そう言われ

「出来てないです!!昔、好きな人が居たんですけど、もう今は連絡も取ってなくて」と

昔に付いて話していた。家に帰り先輩との話を思い返す。 久しぶりに連絡したい。そう思い彼女の連絡先を探した。しかしそう見つからなかった。そこで僕は今までの記憶が蘇るかのように思い返した。

彼女と過ごした時間、それが全て当たり前では無いのだと改めて気づいた。しかし気づいた頃には遅かった。どんなに悔やんでも君との時間は戻ってこない。

君からすると当たり前の日常なのだろう。

しかし僕の中ではアスファルトに咲いた薔薇が跡形も無く散った気がした。

今になって思う。もっと君を幸せに、もっと君に何かしてあげれたんじゃないかと。

そして薄暗く寒い部屋のベットで寝転び天井を涙が溢れる瞳で見つめこう思った。

この枯れ果てた僕の「1秒を君と過ごしたい」と。

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