【付録】 第二章 設定資料集

 設定資料集、第二弾。例によって読み飛ばしても大丈夫です。



◆ ◆ ◆



【セラフィナ・ルクスデイ】

 原作メインヒロインであるエヴァンジェリンの姉。

 彼女との再会がエヴァンジェリンの旅の目的で、原作メインシナリオもこれを軸に進んでいる。

 原作では一時的な再会こそ果たせたが、その後すぐに引き離されてしまい、最新章でも別離したまま。

 妹同様、追放前の境遇には未練がないようで、医療精霊術の使い手を志してアスクレピオス空域の大学で学んでいる。

 医療の道を選んだ理由は、親しい学友にも教えようとせず、尋ねられても誤魔化すばかりだという。



【イノセント・ルクスデイ】

 故人。エヴァンジェリンの父親。四大名門の一つルクスデイ家の元当主。

 何らかの理由で一家諸共天界を追放され、追放先で病没した。

 未来を知る能力を持っていたのか、原作では死後も娘達に何度か助言を与えている。

 そんな力がありながら追放を避けられなかった理由は不明

 周囲からは、能力に制約が多くて万能とは言い難かったのだろう、と受け止められている。



【天竜戦争】

 数百年以上前に繰り広げられた、全世界規模の大戦争。

 天界から降臨した天使と雲海の底から現れた邪竜が、地上の覇権を巡って激しく争った。

 しかし明確な決着が付かないまま、お互いに消耗しすぎたことで自然消滅的に終結。

 天使もドラゴンも著しく個体数を減らし、文明も大幅に衰退。高度な技術の多くが失われてしまう。

 現代はこの衰退期から回復する途上の時代である。



【天使教会】

 この世界における最大の宗教団体。いわゆる『神』ではなく天使が信仰対象。

 ただ崇め奉るだけでなく、実際に従者として天使に仕え、不自由のない生活を支えている。

 各空域の政府にも強い影響力を持ち、天使信仰の社会を実質的に支配している。

 しかし、良くも悪くも天使第一なので、天使に関係ない分野にまで口出しはしない方針。



【聖騎士団】

 天使教会の軍事部門。天使側の勢力としては名実共に最大最強。

 天竜戦争で失われた技術の復活にも精力的で、構成員の聖騎士は忠誠心が高く精鋭揃い。

 普通の聖騎士は天使全体に忠誠を誓うが、アヤのように特定の天使だけに従う者も、少数だが存在する

 ちなみに、この世界には聖騎士ではない普通の騎士もいる

 そちらは各空域が独自に編成した防衛戦力。

 軍人的な公務員だったり、封建的な領主だったり、立場は空域によって異なる。



【聖域】

 天使達が暮らす特別な浮遊島。この世界で最も恵まれた環境だと噂される

 一箇所だけではなく、複数の空域に何箇所か存在している。

 ここで暮らすのは権利であって義務ではないが、他所への移住を望む天使は滅多にいない。



【追放天使】

 政治的、経済的な特権を剥奪され、聖域の居住権も奪われた天使の呼称。

 追放は重罪に対する刑罰として下されることがほとんど。

 他の天使からは見下されるが、人間は追放天使だろうと変わらず崇める傾向にある。

 本来なら聖騎士が護衛に付くことはありえない立場。

 アヤは与えられた裁量を最大限活用し、独断でエヴァンジェリンに同行している。



【邪竜教団】

 強大なドラゴンを崇める者達の集団。天使教会とは敵対関係。

 天使教会と違って一枚岩の組織ではなく、崇める邪竜ごとに独立した派閥が複数存在する。

 方針もそれぞれ異なり、天使よりも他の邪竜を強く敵視する派閥もある。

 全派閥を合わせた戦力は教会を凌駕しているが、実際に全戦力が一つに纏まることはまずあり得ない。

 

 当然ながら、邪竜という呼称と同様に、この名称は天使側勢力からの呼び方にすぎない。

 当事者の間では『竜王教団』か、信仰するドラゴンの名を冠した『○○教団』という呼称が一般的。

 ただし、力を得ることだけを目的に天使教会から寝返った者は、ドラゴンを神聖視しているわけではないので、引き続き邪竜教団と呼び続けることも多い。



【天界/人界/竜界】

 この世界を構成する三層構造。

 天界とは、遠い昔、天使達の祖が地上に降臨する前にいた場所。

 空の遥か彼方に存在するとされるが、今では天使ですら行くことができない。

 人界とは、いわゆる地上。浮遊島が存在し、多くの種族が生きている空を指す。

 竜界とは、雲海の下に広がるとされる仮説上の空間。

 かつてドラゴンはこの空間からやってきたと考えられている。


 これらの単語のうち、人間社会で一般的に使われるのは『天界』のみ。

 残り二つは学術用語に近く、日常的な会話では『地上』『雲海の下』と表現される。

 本編でも天界以外の二つは基本的に使用されない。



【グレイル級巡航飛空艇】

 天竜戦争末期に就役した天使軍の戦闘飛空艇。グラティアは二番艦。

 人的資源が枯渇しつつある時期に開発されたため、徹底した省人化と高性能化が図られている。

 高度な人工精霊を搭載し、ごく少人数での運行と戦闘を実現。

 一隻あたりの戦闘能力を高めることで、艦隊規模の縮小と戦力の維持を両立。

 自己修復機能の強化によって、メンテナンスに要する人員の削減にも成功した。

 

 当時の水準でも最高峰の高性能艦だったが、戦争最末期の熾烈な戦場で使い潰された。

 運行可能な状態で戦争終結を迎えた艦は一隻も存在しない……と考えられていたが、グラティアの発見によって覆された。

 ちなみに、人工精霊の本体は飛空艇のコアユニットと融合している。

 白い少女の姿をしている精霊体は、乗員との意思疎通を円滑にするための対人端末である。



【ケフェウス空域】

 セレスティアル・ファンタジーの物語が始まる最初の空域。

 しかし、原作のレイヴンは早々に旅立ってしまうため、意外と影が薄い。

 実は王政。原作プロローグでも触れられていない設定で、割と後になって判明する。

 各空域名は現実の星座がモチーフで、この空域はケフェウス座。

 第一章の舞台となったデラミン島の由来は、ケフェウス座の二等星アルデラミン。



【シェパード島】

 ケフェウス空域に属する島の一つ。モチーフはケフェウス座ガンマ星「エライ」

 この星の名前の由来は「羊飼い」で、同じ意味の英単語が島名に採用されている。

 名前の通り羊毛の生産地として名高いが、基本的にのどかな田舎で観光客も少ない。

 セラフィナがひっそり身を隠すには絶好の立地だった。



【アスクレピオス空域】

 学術空域アスクレピオス。モチーフはへびつかい座。

 医学薬学の研究が発展していて、主島のラサルハグには大きな大学も存在する。

 セラフィナはこの大学で医学を学んでおり、原作でもレイヴン一行の第二の目的地となった。

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