【付録】 第一章 設定資料集

 今回の更新内容は、設定資料集的なオマケになります。


 本編であちらこちらに散らばっていた設定の纏めや、説明しきれなかった詳細な設定、考えたのに使い所がなかった設定などのうち、第一章に関係する設定の詰め合わせです。


 設定資料集や裏設定などを読むのが好きな人向けの内容ですので、読まずに飛ばしてしまっても大丈夫です。

 (ここに書かれた設定を今後の本編で使う場合は、きちんと本文中で解説を加えます)



◆ ◆ ◆



【世界設定】

 セレスティアル・ファンタジーの世界は、大陸や海が存在せず、無数の『浮遊島』のみで構成されている。

 空の底には分厚い雲の層『雲海』が隙間なく広がっていて、それよりも下の様子を窺い知ることはできない。

 単に『地上』と表現した場合、基本的には浮遊島の陸地部分を指し、浮遊島が集中的に存在するエリアは『空域』と呼ばれる。

 原則として、空域一つが一個の国に相当し、首都に相当する島は『主島』と分類される。

 文化や政治体制は空域によって異なり、王制の空域もあれば共和制の空域もある。


 空域および浮遊島の名前と位置関係は、現実の星座と恒星がモデルになっている。

 厳密には天球儀(地球を中心にした透明な球を想定し、その球の内側に星座が張り付いていると仮定して、それを地球儀のようにして外から見たもの)がモチーフ。

 このため、世界地図は現実の夜空に浮かぶ星座の鏡写し。

 ただし、距離や面積などの比率が正確に再現されているわけではない。



【飛空艇】

 大陸も海も存在しないこの世界で、翼を持たない種族が島々を移動する唯一の手段。

 外見は帆船など前時代的なデザインが多く、移動速度も現実のそれらに近い。

 

 基本的な飛行メカニズムは以下の通り。

 

 大粒の精霊石を核とした浮遊装置が大気中の霊力に干渉し、力場を形成

  ↓

 特殊な加工を施された船体が、力場に乗る形で浮上

  ↓

 乗員や内装品は影響を受けず、水に浮かぶ船に乗っている状態になる

  ↓

 帆やプロペラなど、浮遊装置とは別の機構で推進力を得て飛行する

  

 浮遊装置は構造が単純で壊れにくく、飛空艇が大破しても機能を失わないことが多い。

 グラティアが休眠状態のまま漂流していられたのは、このためである。

 また、大気中の霊力に干渉して浮遊するという原理上、霊力が薄い高度では浮力を維持できない。

 具体的には雲海の下や、雲が生まれなくなるくらいの上空などが該当する。



【種族設定】

 この世界では人間を始めとする複数の種族が共存している。下記はその一例。

 特に『天使』と『邪竜』は半ば神格化されて崇められる存在である。

 

○天使

 かつて邪竜と世界の覇権を争った種族。

 まだ文明が発達していなかった頃に天の彼方から降臨し、世界の半分を支配した。

 しかし邪竜との長きに渡る戦いによって、個体数が大幅に減少。

 現在は特権階級として君臨しつつ、実際の統治を人間等の種族に委任している。

 最盛期の繁栄からは程遠いが、他種族からの信仰は今も篤い。

 

○邪竜(ドラゴン)

 かつて天使と世界の覇権を争った種族。

 まだ文明が発達していなかった頃に雲海の底から出現し、世界の半分を支配した。

 天使と同様に、長期化する戦いの中で数を減らし、今では極めて希少な種族となっている。

 本来、邪竜とは天使と敵対するドラゴン全般を表す言葉だった。

 現代の人間社会では、単に口頭で邪竜と言った場合、ドラゴンの頂点に立つ七頭の『竜王』を意味することが多い。

 竜王は尊称なので、敵対する立場の者は使用を避ける傾向があるのも一因。

 

○人間

 現実の人間に酷似した種族。天使に従う種族の中で最大の勢力を誇る。

 天使を信仰の対象と捉え、忠誠心と信仰心が合わさった価値観で仕えている。

 もちろん、天使に敬意を払わない者や、邪竜側に鞍替えした者などの例外も存在する。

 おおよそ人口の八割が天使信仰。残り二割の大部分が中立で、僅かに邪竜信仰。

 

○有翼人

 肉体の一部に鳥類の特徴を備えた非人間種族の総称。代表例はハーピィ。

 その見た目から天使に近い存在として扱われ、人間の都市で見かけることも珍しくない。

 腕だけが翼と化したタイプや、頭部の形状も鳥に近いタイプなど、外見的特徴は多種多様。

 天使同様に背中から翼を生やした種族もいるが、手足の形が人間や天使と異なる、もしくは翼以外の場所にも羽毛が生えている、などの特徴を見ることで天使と区別できる。

 おおよそ人口の半分が天使信仰。残り半分はほぼ中立。

 ドラゴンの最盛期に捕食対象として狙われた過去があるため、現代でも邪竜信仰の有翼人はほとんどいないらしい

 

○獣人

 肉体の一部に哺乳類の特徴を備えた非人間種族の総称。

 有翼人と同じく、外見的特徴は様々。

 耳や尻尾以外は人間と大差ないものから、直立した獣に近いものまで。

 天使信仰、邪竜信仰、中立がそれぞれ人口の三分の一ずつを占める。

 種族単位ではなく、群れごとに帰属を決める習性があり、どの陣営にも同じタイプの獣人が一定数いるという。

 

○蜥蜴人

 肉体の一部に爬虫類の特徴を備えた非人間種族の総称。

 他種族よりも邪竜信仰が盛んで、人口の六割方が邪竜信仰。

 中立は三割で天使信仰は一割程度。

 竜王に仕え、貢献を認められればドラゴンに変えてもらえる、という信仰が根強い。

 人間社会のとある学派では、これは迷信ではなく本当に与えられる恩恵だと考えられている

 その説の支持者によると、現存するドラゴンのほぼ全ては元蜥蜴人であり、雲海の底から現れた古代の竜の生き残りは、七頭の竜王と極めて少数の例外だけなのだという。



【精霊】

 世界に満ちた神秘的なエネルギー『霊力』が集まって形を成した存在。

 多種多様な姿形で存在し、下級、中級、上級の三つに大別される。

 精霊が振るう特殊な力を『精霊術』と呼び、精霊と契約を交わした者も同じ力を使用できる。

 一見すると、契約者の側だけが得をする契約のように見えるが、もちろん精霊の側にもメリットがある。

 

○下級精霊

 まだ自我を得ていない状態。外見も不定形で、むしろ自然現象の一種に近い。

 霊力機械が普及していない地域では、天然資源として生活に活用されているらしい。

 自我がないため契約を結ぶことはできない。


○中級精霊

 明確な形状と人間並みの知性を得た状態。見た目が人型とは限らない

 街で見かけるのはほとんど中級精霊で、基本的に人間と同等の扱いを受ける。

 人間等と契約を結べるようになるのはこの段階から。一対一の契約が普通。

 契約者を得ていると成長が早くなることから、積極的に契約相手を探し求める傾向にある。

 

○上級精霊

 長い年月を経て力を蓄え、能力の限界を突破した状態。凄まじく強い。

 普通の精霊には不可能な『数十人以上の相手との同時契約』ができるようになる。

 ほとんどの空域で人間以上の存在として扱われ、島によっては信仰対象にもなっている。

 契約者は力を借り受ける代わりに、上級精霊が人手を必要とするときは招集に従うことが求められる。

 ただし、縄張り争いに精力的な精霊でもない限り、それを要求される頻度は決して高くはない。

 力を借りるだけの立場で一生を終えることも珍しくないという。


○人工精霊

 精霊が生まれるメカニズムを人為的に再現して生み出されたもの

 現代ではロストテクノロジーだが、存在自体は歴史的事実として伝わっている。

 普通の精霊と異なり、契約者を得なければ真価を発揮できない。



【属性】

 精霊と契約者が持つ霊力の性質。ゲーム上の役割はダメージの相性補正

 内訳は火、風、土、水、雷、闇、鋼の七種類の基本属性+三種類の特殊属性。

 「氷雪モンスターが火に弱い」などの特殊な弱点はパッシブスキルで表現される。

 

 基本属性の相性サイクルは二つに分かれている。

 相性1:火→風→土→水→火 の順番で有利

 相性2:雷→闇→鋼→雷 の順番で有利

 矢印が向いていない属性に対しては等倍ダメージ。

 

 特殊属性は竜、天、無。このうち竜と天は基本属性との二重属性になることが多い。

 竜は基本属性全てに攻撃有利。防御補正はない。

 天は基本属性全てに防御有利。攻撃補正はない。

 竜属性持ちと天属性持ちの間では、上記の補正はどちらも働かない。

 

 無は主人公レイヴンの専用属性。

 人工精霊の特殊性を表し、全ての属性に対して相性補正を持たない。

 

 上記の内容は、原作ゲームでは重要な要素になっているが、シナリオ中では滅多に触れられない。恐らく本作の中でも触れることはあまりない。

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