第16話 魔の手~手紙と危険な甘い罠にドキドキ~

「おはよう」

「おはようございます」

「おはよう」




先生同士や生徒達


先生と生徒が挨拶を交わす


朝のありきたりな日々


いつもと変わらない校庭や校舎




だけど────



一部を除いてはだった




「菜々子先生、おはようございます」

「あっ!おはようございます」



同僚の先生が私に挨拶をしてきた。





「…あれ?…何か入って…」

「はい?何か言いました?」

「いいえ。何でも」




私は下駄箱に入っていた封筒をバッグにしまい職員室に行くのだった。


時間の合間を見て、中身を確認する私。





【今日の放課後、体育倉庫前に来て下さい】

【大事なお話があります】




「…誰…?」




名前の記されてない手紙。


恐怖と不審に思う中、行くべきか、行かないべきか……


遠くから、こっそり見る?


そんな色々な事を考えながらも結果的に行く事にしたんだけど……





─── 放課後 ───




「…騙した?…まあ名前を書いてなかったから怪しいとは思ったけど……」



辺りを見渡す私。




「戻ろう」



次の瞬間─────




背後から鼻と口を押さえられた。


暴れる私のお腹を殴られ私は気を失った。



ドサッ




✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕





「あれ?裕斗君何してんの?」




教室にいる俺の元に彼女・紫尾川さんが現れた。




「紫尾川さん?」



俺はとっさに逃げようとするも彼女は俺を引き止め俺の唇を奪い、何かを口の中に入れられた。


俺はすぐに吐き出した。




「君が、ここに来たって事は…俺達をハメたんだね?彼女は…先生は何処?」


「知らないよ。私が先生の事を知るわけないでしょう?ねえ…それより…Hしよう♪私、裕斗君の事……」


「…紫尾川さんは…俺の心にはいないよ」


「…それでも良い!裕斗君…私だけを見て…」




彼女は自分の制服のボタンを外す。





「…私…色気ない…?」


「色気ないとかあるとか好きでもない人と関係を持つのは俺の考えにはないから!俺は彼女を探し出すよ!」




そう言い放ち俺は教室を飛び出す。




「裕斗君っ!!」





✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕



私は目を覚ます。



「えっ!?」



私の上に一人の生徒が股がっていた光景が飛び込む。



「や、やだ!ちょ…」




口を塞ぐ。



洋服は既に脱がされ、上半身の肌が露になっている。


下半身は、まだ着ている感覚はあるようだ。


私は抵抗し暴れるも両手両足が押さえられていて抵抗するにも出来なかった。




「部活生が来る前に、チャチャっとヤっちおうぜ。それだけ美人なんだから満足させてくれそうだし」



そう言うと、私の身体を触りだし、すぐに下半身に手が伸びた。



≪や、やだ!誰か助けて!≫



下着の中に手が容赦なく入ってくる。







ドンドンドンドン…



ビクッ



倉庫の引き戸を叩く音がした。




「チッ!」



「あれ?おかしいな?鍵は既に持っていってあるはずだし開いてないのっておかしくね?」




部活生が部活道具を取りに来たようだ。



彼らは一瞬怯んだようにも思えたが、隠れる場所を探し一人がバレないように中から鍵を開ける。




「うわっ!開いたし」

「わりぃ!間違って鍵閉めたみてー」

「あ、ああ。そうなんだ」



一人は出ていく素振りを見せ、部活生が出て行った後、すぐに戻って来ては再び鍵を閉めた。




「もう!面倒だから、このままヤッちゃうか?」





私は抱き抱えられた。




「ねえ、先生、大人の色気で満足させてくんね。初めてじゃないんだろうし」



生徒の見せ物となり晒される?


彼らはニヤニヤしながら携帯のカメラが向いている。






ドンドンドンドン…


再び引き戸が叩かれる。



「チッ!面倒くせー。誰かうまく対応しろ!」




そして─────



「先生は俺と良い事……」


「彼女から離れてくれないかな?」




ドキン



≪裕斗…君…?≫



「はあっ!?何言って…つーか、誰だよ!おいっ!何して…」

「友達なら、既にいないよ?」

「えっ!?」



彼らは延びている。



「美人な彼女を目の前にして夢中だったから気付かなかったんじゃない?…もう一回…言った方が良いかな?…彼女から離れてって言ってんだけど!?」


「わ、分かった!」





生徒は私から離れた。



「今後、俺達に近付かないでくんないかな?例え命令だとしても」

「あ、ああ。分かった」



彼は足早に去った。




私はゆっくりと体を崩していく。



「菜々子さんっ!」




ドサッ


抱き留められる。



「大丈夫?」




私は頷くのに精一杯だった。




「良かった」




私にキスをする裕斗君。



「…菜々子さん…」



私の名前を呼ぶと、再びキスをすると深いキスをされたかと思うと、首スジに唇が這い、徐々に下へ下へと進む。



「…ま、待って…裕斗君…ここ…学校…部活生が出入りする倉庫…」




再びキスをし唇を塞ぐ。





「彼女・紫尾川さんに…教室で…何か飲まされたっぽくて…」

「…えっ…?」

「…菜々子さんと一つになりたい…」




ドキッ




「えっ?ひ、ひ、一つ…ええっ!?つ、つまり、それって…だ、駄目っ!…駄目だよっ!…ここは…誰が来てもおかしくないし…そ、それに…」




≪初めて…なんて言えるわけ…≫



「…菜々子さん…?」



心配そうにする中、何処か熱く見つめるような視線に胸がザワつく。


胸がドキドキ加速する中



「…裕斗君…私…」



「………………」



何かを察したのか優しいキスをする裕斗君。



「…分かった…一先ず家に帰ろう…だけど…家に着いたら…菜々子さんの事…抱いて良い…?」




「…………………」




私達は帰る事にした。
















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