第15話 男 と 男、そして彼女の想い

「結岐先生」

「ん?どうした?伊吹」

「…先生って…敵~?味方~?」

「えっ?急にどうしたんだ?」

「ちょっと…小耳に挟んだんですけど~……気になって~」

「先生と生徒の間に敵も味方もないだろう?」


「俺達にですよ!」

「えっ?」

「相上先生と俺です」


「…何を言いたいんだ?俺は2人の事は知っているし、第一、俺が何の為に?」


「さあ?俺が聞きたいくらいですけど?それから、あなたは…紫尾川さんのアシスタントですか?それとも…自分の趣味なんでしょうか?」



スッ


俺はもう一人の自分を出し写真を何枚かを片手で、まるでトランプや、カードを扱うように広げ見せる。


ある人達の協力をを得て手に入れる事が出来た写真だ。




「…それは…」


「…これ…ちょっと…ある人に協力してもらって手に入れたものです」




「……………………」




「正直、こういうやり方って、好きじゃないんですけど…俺達は結岐先生を敵と見なします。これ以上、深入りされても困るし今後近付かないように…でも…もし…あなたが相上先生に想いを寄せているのであれば話しは別ですけど…それじゃ」



「…………………」




「あの男…」





✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕



「えっ!?…裕斗君が!?…そう……分かった…じゃあ次の手でいくから!」



誰かと話す彼女・紫尾川 亜綺の姿があった。


携帯を切ると────



「菜々子先生…あなたには傷ついてもらうから!絶っ対!裕斗君は渡さないんだから!」





✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕



「あっ!今、私が食べようと思ってたのに!」

「早く食べねーからじゃん!」



慶祐と居酒屋で騒ぐ私達。


そんな中、魔の手が伸びている事などしるよしもなく────





その日の夜─────




家路に帰宅をし、お風呂を済ませ部屋に戻ろうと移動していると





「菜々子さん」



部屋の前で呼び止めらた。



「あれ?裕斗君、まだ起きてたの?良い子は寝る時間、とっくに過ぎてるよ?それとも私の帰りを待っていたのかな?」


「待ってたよ」





ドキッ



「えっ?」

「実は話があって」

「話?」

「今後の俺達の事なんだけど~」

「えっ!?今後!?ま、ま、待って!」

「えっ?」


「こ、こ、今後って?だ、駄目、駄目!私達は先生と生徒であって」

「…菜々子…さん…? あの……」

「先生と生徒だから駄目っ!」



「いや…菜々子さん…あの…なんか誤解してませんか?そういう話じゃ…」


「今日、慶祐と飲んでて忘れようって思ってて…1日が始まって1日が終わって…毎日、その繰り返しで…24時間いるのと変わらないから…結局、そうなっちゃうのかなー?って……」


「菜々子…さん?」

「…それじゃ…おやすみ」



グイッと片方の手を掴まれ部屋のドアに手をかける私の、もう1つの手の上から裕斗君が自分の手を重ねるようにすると掴んでいた片方の手をそのまま背後から抱きしめるようにした。





ドキーン




「ひ、裕斗…君…!?」



「…菜々子さん…良いんですよ」

「…えっ…?」


「先生とか生徒とか…学校では…先生と生徒でも、ここ(家)では、同居人だよ。俺、菜々子さんに何かあったら、その時は必ず俺が助けるから」




ドキン




先生と生徒


それなのに 私は いつの間にか


彼に好意を抱いていた……



ここ(家)では 同居人


敬語ではなく普通の話し方の対応に


私の心は更に胸が高鳴り ざわつく





「俺に何かあったとしても、どんな時だって俺は必ず助けて守るから」



抱きしめた体を離すと、すぐに振り返らせ再び抱きしめた。




ドキン



「裕斗…君…」


「何をしかけてくるか予想はつかないから分からないけど命かけて守るから」


「…裕…」




ドキッ




おでこにキスをされた、



「それじゃ、おやすみ」

「…お、おやすみ…」





各々の部屋に戻るのだった。

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