第7 関係

「菜々子先生」

「何?」


ある日の放課後、私に話しかける紫尾川 亜綺さん。



「先生にお話があるんですけど」

「話?何?」

「彼、裕斗君とは、どういう関係ですか?」

「えっ?どういう関係って先生と生徒以外に何もないわよ」

「本当ですか?」

「えっ?」



「幼なじみもいるみたいですし…3人怪しくないですか?何か隠してませんか?」


「別に何もないわよ」

「…そうですか…分かりました。今回は引き下がります」


そう言うと彼女は教室を後に帰って行った。




その日の夜────



「あー、紫尾川さんね。彼女は結構ヤバイ子だよ~」

「ヤバイ子って…?」


「結構遊んでいるって話だし~、そんな中、俺にかなりアピってるっけ~?」


「呑気だね?私達の事がバレつつあるんだよ!?」

「そうだね~気を付けなきゃだね~」


「どうして、そんなに呑気に言えるの?何が起こるか分からないんだよ!!」


「こっちから偵察するのも怪しいし、今のままやっていくしかないんじゃないかな?」



「………………」





「だけど俺は何があっても心の準備は出来てるしバレた時とか彼女の行動とか注意してるし~…菜々子さんは俺が守るから」




ドキン



「裕斗…君…」


「学校では先生と生徒かもしれない。でも、同居人だし。それに…もし、これが二人の運命なら乗り越えるしかないんじゃない?菜々子さん前に言ってたでしょう?未来は見えない道で繋がっているからって…」



「…それは…」


「別れ道に来た時、選んだ道で吉と出るか凶と出るか分からないから壁にぶつかっていくって」




「………………」




「運命でも運命(さだめ)だとしても変える事が出来る。だったら変えましょう!」


「裕斗…君…」


「俺変えます。過去の想いと共に頑張って乗り越えます」

「裕斗君…過去に何があったの?」



スッと片頬に触れる裕斗君。



ドキン




「ごめんなさい。今は言えません…いずれ話をする時が来た時、話します」



何処か切ないような辛そうな表情をしながら微笑む。




「裕斗君…」




そう言うと席を外した。











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