第3話 合併

「菜々子さんって○○の高校教師してるんだよね」と、漣君。


「あーうん」


「俺の兄が女子校の教師しているんだけど話によれば来年合併す

るとか?」


「あー、うん。まだ話は定かじゃないけど、そういう話は出てるみたいだね?」




「女子校ねー。お前、女子生徒とうまくやっていけんの?」


慶祐が言ってきた。




「なっ!失礼しちゃうな!大丈夫です!」


「そうか?なんか女子校ってドロドロじゃね?影で何をしてくるか…」


「第一、菜々子さんは男子校でしょう?男と女になると先生と生徒や、男女の取り合いとかありそう」


「まさかっ!そんなのあったら大変じゃない?」


「禁断の恋とか?」


「菜々子、大丈夫?」


「ちょっと!3人で私をイジめないでよ」




私達4人は飲んで騒ぐ。




その日の夜も更けた頃、私は帰宅─────




「あ、おかえり~菜々子さん」

「あれ?裕斗君、まだ起きてたの?」

「明日休みだし夜更かしなんて当たり前ですよ~」

「デートする相手はいないの?裕斗君カッコ良いし」

「そういう菜々子さんこそ相手いないんですか?」

「いません!いたら幼なじみや友達と飲んでないよ」



私は部屋に行き始める。




「菜々子さん」


裕斗君が呼び止めた。



「何?」

「高校合併するって聞いたんだけど~」


「あー、その話?うん、定かじゃないけど…さっきも居酒屋さんで幼なじみと、同席していた人と話してて意地悪言われて、からかわれてた。まあ現状確定寄りなんじゃないかな?どうして?裕斗君、目立ってるからモテモテかもよ」


「菜々子さんこそ、人気高そう」

「えっ?私?そんなのない。ない」



私達は色々話をしていた。





そして合併する話が確定となり、先生達の仲を深めようと女子校の先生達との親睦を深める為、飲み方が度々あった。





そんなある日の事─────




ピンポーン…



インターホンが鳴る。




「はーい」




カチャ


ドアが開く。

玄関先には、菜々子さんを連れた男性が立っていた。






「あの…すみません…こちら…相上菜々子さん宅…」

「はい」

「弟…さん?」

「あ、はい。すみません。俺の姉が…」



俺は話を合わせておいた。



「いいえ。帰り道なんで彼女を連れて帰りました。ほとんどの先生も飲んで酔ってらっしゃってて」


「そうですか。大変でしたね。後は大丈夫です。ありがとうございます。お気を付けて」


「それじゃ」


「はい」




俺達は別れた。




「菜々子さーん」

「んー…」



ゴロンと俺は菜々子さんをベッドにおろす。



そして去ろうとした瞬間─────



グイッと引き止められたかと思うと、菜々子さんが目を覚ます。




「あれ…ここ…」

「お目覚めですか?」

「…裕斗……君…?」

「今、水持って…」



グイッと更に引き寄せられ、菜々子さんは俺にキスをした。



すると、そのままスーと寝息をたて眠った。





「………………」




「菜々子さん…キス魔…?」




そう思うも気にせずにいた。




次の日─────



「あれ…ここ…」




私はボンヤリとしながらリビングに移動。




「私…どうやって……?一人で帰って来たのかな…?」




正直、昨日の事は一切覚えていない。


酔っ払って記憶がないというのは、あるあるだ。





「おはよう。菜々子さん」

「あ!おはよう。裕斗君…私…昨日…一人で帰って来た?」


「昨日は結構飲んでたみたいだし~、合併する事になった女子校の若い男性の先生が送ってくれましたよ~。なんか帰り道とかで~」


「あー…そうなんだね…記憶が…曖昧…」

「じゃあキスした事も覚えてない感じなのかな~」


「キ、キ、キスぅぅぅっ!?えっ!?う、嘘……えっ?裕斗君に…!?」


「はい。唇に」

「嘘……ごめん…」


「いいえ。大丈夫ですよ。ただ、その話しよりも、俺、先生の弟って事になってしまって」


「えっ!?弟?えっ?ある意味、そうでしょう?」


「同居人ですよ?弟なんて嘘の悪い言い訳に過ぎないですよ。合併してから更に校則は厳しくなるだろうし~。同居してるのを明らかにするか、もしくは血の繋がりのない姉弟?名字違うから怪しまれるの目に見えてますよ」


「そう…だよね…似ても似つかないし」


「とりあえず、そういう事だから乗り切れるまでは姉弟という事にしておく方が無難かな~と思います」


「そうだね。分かった」































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