第2話 それから一週間
あれから1週間たった。森から出ることはできず、仕方がないので今自分にある知識でサバイバルをしている。サバイバルの基本はまず衣食住を揃えることだ。幸い衣食住の衣はあるにで気候によって野垂れ死ぬことはないだろう。
だが食事がなければ生きていくことはできない。水だけでもあれば3週間は生き抜ける。だが、逆に言ってしまえばタイムリミットは3週間ということになる。だがそれは生き抜けるのが3週間というだけで冷静な判断が3週間の間できるわけではない。
実質タイムリミットは1週間ちょっとしかないわけだ。今のところはバッタや焼いたカブトムシ?の幼虫を食べている。ちなみにバッタは普通に不味く、カブトムシ?の幼虫が思いの外クリーミーで悪くない。
うまいとは言っていない。
「やっぱり穀物系と肉が食いたいよなぁ。ついでに野菜。」
舌の肥えた現代人の俺にとってやはり虫は美味しいと言えるものではなかった。なのでいま何をやっているかと言うと、対動物用のトラップを作っているところだ。実際動物の肉があればなんとか生き抜くことはできる。鹿などを捕まえられたら万々歳だろう。
「さてと、これでワンチャン動物が寄ってきてくれりゃいいが。」
罠には跳ね上げ式の罠を使う。ぶっちゃけ現代なら横引き式とかがいいかもしれないが、それにはちゃんとしたバネが必要になってくる。まぁ今の俺にバネなんてないから跳ね上げ式にしたわけだ。
今は動物が寄ってくるのを祈るしかないので、少しの間住居を強化することにした。動物以外にもこの世界にはモンスターというものがいるらしいく、この世界に来て一度だけ、明らかに動物や人間とは違う身体をした異様なものを見た。自分のいた世界とこちらの世界はかなり違うが、少なくともあの巨体が普通にいるのはありえないだろう。
「あんな奴が来たら普通に死ねるな。」
なんたって俺に戦闘能力はない。なので見つかったら逃げるしかないのだが……。
「逃げたところで変わらねぇんだよなぁ」
ぶっちゃけ逃げたところで俺の足では間違いなく逃げることは不可能だ。前世?ではとにかく筋トレをしまくっていたがこれだけでは100%生き残るのは不可能だ。なので一応ボウガンだけは作っておいた。
時速200kmを越えているので多分、多少の応戦はできるだろう。ただ、今使っているボウガンの矢は、木を削って尖らしただけのものだ。多少戦えてもまぁ生き残る可能性はないに等しい。この世界に降り立った時点でほぼ詰んでるのだ。
「まぁ、今の所合うことはなさそうだから問題ないな。気も見えないし」
そういえば話が変わるが、言っていなかったことがある。俺にはラノベあるあるの特殊能力がついているらしい。一週間前、俺が死んでこっちの世界に来たときにある盗賊?のようなものに襲われた。その時に俺は棍棒で攻撃された。しかし、俺はその攻撃を避けた。その時、相手の気配のようなものを感じた。
その時は第六感が働いたのかと思ったが、そのようなものではないとすぐに分かった。空に飛んでいる鳥を見たときに、目では見えないものを見た。多分、言い方的には、心で見たというのが正しいかもしれない。間違いなく前世ではそんなことはできなかった。
多分こっちの世界に来るときに所持した能力だったのだろう。ぶっちゃけそれがなかったら間違いなくあのとき死んでいたな。
「まぁ、それも後々解明していくか。……え?なんか今までに一度も見たことのない気が見える」
今、間違いなく見たことのない気を見た。明らかに小さく、だが、鳥や小動物なんかよりも大きい。言うなれば人間のような気を一瞬見た。
「多分俺が動物用の罠をかけた場所だな」
俺は少し青ざめた。
「あー、やっちまったかも」
すぐに気を見た方向へ走って行ったところ……案の定誰か、まぁ間違いなくモンスターではない人形が罠に引っかかっていた。そこでまず思ったことは……。
「間違いなくこれは……」
「むきゅうぅ……」
「獣人だな」
狐の耳のようなものと、狐の尻尾のようなものを持った獣人がいた!!!!!
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はーい2ヶ月ぶり!新しいキャラ登場!頑張って出すんでよろしく!
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