ふたたび、四天王

 カミラを除く四天王たちは、再び集っていた。

「カミラっち、無理やり復活したみてーだな」

「でもなんか、ニンゲンに懐柔されたみたいだよん」

「あのカミラが? ニンゲンなんてただの下僕だとか家畜だとか言ってたあいつが?」


 三人は顔を見合わせる。

「そのニンゲン、もしや」

「いやあ、そんなわけねーべさ」

「しかし気になるな。一度調べてみるか」

「んだなー」

「それよりも、魔王様のこと。何か思い出したことある?」


 沈黙。


「おかしいだなー。誰一人として魔王様の姿を見たことがないなんて」

「そんなことある? 魔王直属四天王なんだよん、ウチら」

「側近のレイヴン様なら、何か知っているかもしれんな」

「レイヴン様ってあの? 生きてるの?」

「なんでも中央都市にいるらしい。闇ギルドなるものを立ち上げ、暗躍しているようだが」

「ニンゲンたちとの友好関係、壊すつもりなのかな」

「……そこらへんの事情も探らねばならん」

「んだんだ! 探るだーよ! 中央都市さいくだ!」

「いや、目立つでしょ」

「変装すればいいだ!」

「無理があるんだよん……」

「中央都市にはモンスターのための居住区があるらしい。そこならば我らがいても違和感はあるまい」

「あー! 温泉できたとかなんとか! 風の精霊が噂してたんだよん!」

「温泉! オラ、はいりてーだよ!」

「それじゃ、行ってみるんだよん。ついでにレイヴン様探すんだよん」

「目的が逆ではないのか? まぁよいか」

「それじゃ、準備でき次第しゅっぱーつ!」


 そして彼らは、中央都市へと向かうのであった。


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