パーティ当日、本番まで
当日の朝、俺は起きて用意をし、メールに指定された場所に時間までに行った。しばらくすると一台の車が止まった。ドアが開いて「ヒロ様ですか?」と運転手が尋ねた。「はい」と答えると「お嬢様から聞いております、お乗りください」と運転手は言い、俺は開いたドアから車に乗り込んだ。
車は郊外へと進む。大きなお屋敷が見えてきた。車は玄関ではなく通用門の方に向かい、建物の近くで止まった。運転手がドアを開け俺が降りると「車を置いてきますから、しばらくお待ちください」と言って車は離れた。俺は降ろされた場所でしばし待った。運転手が戻って来て「ご案内します、ついてきて下さい」そう言って、通用口を開け中に入った、俺も続いて建物の中に入った。
廊下をかなり歩いて、運転手はある部屋のドアの前で止まりノックした。中から「どなた」と女の人の声がした。「ヒロ様をお連れしました」と運転手が言うとドアが開き桧山先生が「ヒロよく来たわね、さあ中に入って。連れてきてくれてありがとう用があったらまた呼ぶわ」と運転手に言った。運転手は「失礼します」と言って立ち去った。
俺は部屋の中に入った。中にはダンスの衣装などいろいろなものが揃っていた。
「さあ、用意をしなくては。まず着替えましょう」と言われて俺は補正下着を付けタイツを履きドレスに手を通した。そこまですると先生が背中のファスナーを上げウエストのリボンを結んだ。
「メイクするよ。目はつぶっておいてね下地からするから少し時間がかかる。アイメークの時は必要に応じて開けてもらうから、ウイッグもつけなくてはいけないし」と先生は言い俺は言われたとおりに鏡の前に座り目を閉じた。
2,30分かかったろうか「目を開けていいわよ」先生の声に目を開けると鏡には別人に変身した俺の顔が映っていた。「これならだれかわからないでしょ。立ってみて」俺が立ち上がると「一回りして」と先生、俺が言われた通りすると「うん上出来ね。後はアクセサリーをつければ終わり」と言った。
俺の着付けが終わったころ、ケイが控室に入ってきた。「急いで着替えますね」と言うとケイは衝立の中に入りタキシードに着替えて出てきた。
「ケイもヒロもダンスシューズを履いて、少し動いてみましょう」俺たちは組んで軽く動きを確かめた。「大丈夫そうね、ヒロ動きにくいとかない」と聞かれ「ありません」と俺は答えた。「じゃ記念撮影、スマホで写真撮っておきましょう」と先生は言い俺とケイのスマホで写真を撮ってくれた。
そろそろ時間かと思っていたら、ドアをノックする音がして、「ケイ様パートナー様もうすぐ出番です。スタンバイお願いします」と係の人の声がした。
「さ。出番よ、いつも通りに動けば大丈夫。行きましょう」先生がそう言ってドアを開けてくれた。ケイは俺の手を取って、「これからは私がエスコートするからね」と言った。そして二人で会場に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます