パーティーまで、練習日程

水曜日、ケイと会って、ダンススタジオで練習の後、ケイに今後の日程を聞いた。

「パーティーは、1ケ月後の土曜日の昼からになるの。だから、土曜日の先生のレッスン。週中の練習。合わせて7,8回かしら」とケイは話した。

「1ヶ月後って・・・・」俺は今更時間がないことに気がついた。

「その間に、ドレスの手配とかもあるし、あ、これは先生の方でしてくださるそうだから。パーティーの前の週の土曜日にドレスを着てみての練習になるわ思うわ。次の土曜日にそのあたりも日程を詰めるつもりよ」とケイは言った。

「それくらいの練習で本当に踊れるようになるんだろうか?」俺は疑問を呟いた。

ケイが「パーティが近くなったら、ここじゃなくてもっと近くのスタジオを借りてヒロさんの仕事が終わってから練習することになるかもね、今はあまり無理して足を痛めたら元も子もないから」とケイは答えた。

ケイは「女性役はね、腰を男性役に支えてもらって少し上半身をそって男性役の右肩越しに前を見たまま、リードを感じてその通りに動くの」と言った。(これがケイは気に入らないらしい)

「俺と踊っていて重くない?」と俺は聞いた。

「最初は重かったけど今日はだいぶ楽よ。ヒロが上手になった証拠ね」とケイが答える。

「それならいいけど」俺は『寄りかかるな』と言う桧山先生の言葉を改めて思った。ダンスの先生は教室では両方の役をこなし指導する。だから男役女役の逆転は出来ないことではないと思う。しかし体の強さは変えられない。そもそも構造から違うし。とにかくケイの負担にならないようにしないと。ケイが体を痛めでもしたら大変だ。


それから、俺たちは土曜日、桧山先生のレッスン。水曜日自主練習を行うことになった。それに加えて、俺は家でもステップの練習を欠かさず行った。暇さえあれば映像を見て、体の動かし方を覚えた。最初あれほど痛んでいた足も鍛えられたのかヒールを履いて踊っても痛まなくなってきた。俺の足が痛まなくなったので、自主練をふやしてほぼ、1日おきにレッスンするというハードスケジュール。ケイの学校のスケジュールとの調整はかなり大変だったようだが、ケイはそれを難なくこなしていた。


そしてパーティーを来週に控えた土曜日。俺たちは桧山先生最後のレッスンを受けるため先生の自宅のダンススタジオを訪れた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る