第8話 筋肉痛2

コンコン


はなれでぐったりしてるとノック音がした。


お客様……?


「どなたですか?」

「……」


返事がない。

窓からチラリとドアの付近を見ると、ふわふわした赤毛が見える。末っ子のメレブ君だ。

ドアをあけると、ガバッと抱きついてきて一言。


「あそぼう!」

「……」

「ボールなげしよう!」

「ボール…」


室内ならまだしも、外でボール遊び…。絶対にムリ!


「メレブ君、今日はお姉ちゃんは具合がよくないから、お家の中で遊ぼうか?」

「何で?シューにいちゃんが、『ルーねえちゃんがボールで遊んでくれる』って言ってたのに…」


シュート君。なんて子なの。


「……」

「メレブくん?」

「ボールあそびするのっ!」

「……」

「ボールであそぶのっ!!」

「…うん。遊ぼうね。」


これなら仕分けしてる方がいい気がするわ…。


結局ボール投げをするんだけど、ボールがまっすぐ飛んでこないのは当然のこと…。


「ぃたた…、うぅ……」

「ルーねぇちゃん、がんばれ!」

「うん…」


それから1時間ほど遊んで、それで終わりかと思ったら今度はお絵かき。今日はシトロン君はいないの?『ごうとう』の所に可愛い弟が1人で来てるよ!


「はいこれ、ルーねえちゃんだよ。」

「私の事を描いてくれたの、嬉しい。」


受け取った絵、私の顔は緑で塗られてて、目が赤くて髪の毛は黄色い。斬新な色使いだわ。


「ありがとう、上手だね。」

「じゃあ、ここにはっておこう。」


それを…窓に。


「ほら、お姉ちゃんも描けたよ。はい。」

「あっ!!ボクだ!」

嬉しそうにニッコリ笑うメレブ君は可愛い。

「これはボクのお部屋にはる!!」

「うん。」



お昼ご飯を食べた後も、何故かメレブ君は私と一緒にいる。自由に遊んでお昼寝して…。


コンコン

「はい!」


今度は誰だろう。


ドアを開けると、そこにいたのはシトロン君。


「メレブをぬすんだな!」

「盗む…?」

鞄に筆記用具…。シトロン君は8才だから学校に行ってたのね。


「メレブ君はここでお昼寝してるんだよ。」

「…証拠をみせろ!」

「うわっ!」

私を押し退けて、寝ているメレブ君のもとへ走っていった。

ここからでも、メレブ君が寝てるのは見えるんだけど…私と仲良くなるのは嫌なのかな。


「メレブがぬすまれたら困るからオレもここにいる。」


そう言って、私のベッドにゴソゴソもぐりこんで、メレブ君と寝てしまった。


それから10分ほどしてミランダが私達の様子を見にきた。


「なに?早くも子育て?」

「これは、子守りよ…。そのつもりで残して行ったんでしょ。」

「まぁまぁ。」

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