リベンジ 3
「わかったわ。とりあえず場所の下見に行ってみましょう。行くならいつものメンバーで行きたいんでしょう?」
「もちろんだよ」
「だとしたら、また
それからおばあちゃんは
「何してるの?」
「ナビよ」
「え?おばあちゃんの車、ちゃんとナビついてるじゃない?」
「あのナビは、住所とか施設名を入れないとだめなのよ。今から行く場所のように住所もなにもわからない時は使えないの」
「じゃあ、どうやって行くの?」
「悠斗は座標ってわかる?」
「ううん。わかんない」
「じゃあ、緯度とか経度は?」
「それも、わかんない」
おばあちゃんはまた
「この地図に、薄い青い線があるでしょう?」
「うん」
「この横線が緯度で、縦線が経度。緯度は赤道を0度として北極か南極までを90度でわけてあるの。赤道は、わかるわよね。 経度は子午線を0度として東西へ180度でわけたものなのよ。子午線は、イギリスの天文台に基準点がある線。地球上のどの場所も『緯度と経度の組み合わせ』で表すことができるの。それが座標」
「う……」
「まあ、今はわからなくてもいいわ。で、さっき見つけた場所の座標を調べて、スマホのナビアプリなら座標に対応しているから、数値を入力したところなのよ」
「えーと……じゃあ座標が住所がわり?」
「そう。ものわかりが早くなったわね。じゃあ、行きましょうか」
あてずっぽに言ったら当たったみたい。
「座標を目標にして走るなんて日が来るとは思わなかったわ」
運転しながら、おばあちゃんが言った。
ぼくは初めて見る景色に、きょろきょろしていた。
「ぼく、この道初めて通るかも」
「私も久しぶりよ。この道使う用事なんてそうそうないから……そろそろ目的地らしいわ」
おばあちゃんが車を停めた。
道路の片側は山で、反対側には田んぼや畑が広がっている。
家はところどころに建っているみたい。
「このくらい道幅があるなら、だいじょうぶね。あとは駐車できるような場所があるかしら」
(あまり離れたところには停めたくないんだけど)そうつぶやきながら、おばあちゃんはゆっくりと車を走らせて、少し走ったところで停めた。
「そうねえ、ここだったらちょっと路肩が広くなっているから停められそうね。
「はあい」
「おそらく、小道か何かあると思うのだけど」
車で来た道を、最初に車を停めた場所まで戻ったけれど道らしいものはひとつもみつからなかった。
「もしかして、遠くからぐるっと回ってこのあたりに戻ってくるのかしらね」
「地図を拡大したら道が出てくるんじゃない?」
「基本、車が通れる広さがないと表示されないのよ。こっちにないなら、向こうを確認しに行きましょう」
続
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