リベンジ 2

 「おばあちゃーん!」

今日はママは午後から仕事だから、おばあちゃんの家で過ごしていい日。

それをいいことに隆之介りゅうのすけの家から帰ったぼくは、昼ごはんもそこそこにおばあちゃんの家に行った。

「どうしたのよ?さわがしい」

「ねえねえ、これ見て。今日隆之介からあずかったんだけど」

「なあに?地図?」

「うん」

ぼくは隆之介の家でのことを話した。

「だから、この線が交差する場所がどこなのか、そのあたりになにがあるのを調べてほしいんだ」

「ここねえ、何があったかしら。とりあえずトレーシングペーパー探さなくちゃね」

「トレーシングペーパー?何に使うの?」

「目印になる道路と×の印を書き写して、同じ縮尺の地図に重ねるのよ。そうしたら交差する場所がわかるでしょう?」

「あ、そっか」

 

 「……あると思ったけど、残ってなかったわね。クッキングシートは代わりに使えないかしら?」

見た目はそっくりだけど、どうなんだろう?

おばあちゃんは最初は机の上で書き写そうとしていたけれど、見えにくかったのか白地図にクッキングシートを粘着テープで貼りつけて、2枚一緒に窓に貼って透かして書き写していた。

「へえ、そんなやりかたもあるんだ」

「精密なものにはむかないけどね、あるものでなんとかしないと」

こういうのも年の功っていうのかな?

しばらくして書き写し終えたおばあちゃんはPCパソコンの前に座って市内の地図を画面に出した。

そして目印の位置が同じになるように地図を拡大していった。

「これでだいたい同じだと思うのだけど、プリントアウトしてみようか」

印刷された地図とクッキングシートを重ねると、ぴったりと位置が合っていた。

「さすが!」

「まだまだ、これからよ」そう言っておばあちゃんは交差した場所に針を刺して穴をあけた。

でも、そこは何の表示もない場所だった。

 

 「地図がまだ小さいのね。えーと穴がここだから……地図のこの部分を拡大すればいいのね」

再度おばあちゃんは地図を拡大さた。

「おそらくこのあたりだけど、このあたりにあるものは……トンネル?ああ、道と通じてなさそうだから、もしかしたら洞穴ほらあなみたいなものがあるのかもしれないわ。洞穴なんて市内にあったのかしら?」

地図をのぞきこむと、そこには円を半分に切ったような形の記号が書いてあった。

「洞穴って?」

「この記号がある場所にはトンネルのような人工の構造物があるはずなのだけど、地図を見ても道路に通じてなさそうなのよ。近くに道はあるけれど直接、面していないの」

「だから、洞穴?」

「そう。人工物だけでなく、自然にできた洞穴にも使う記号だから、その可能性があるかもと思ったのよ」

「へえ、そうなんだ」

「……行ってみたいって、思ってる?」

「うん!」

 

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