新たな謎解き 3
「ごめん!遅くなった」近くまで来た
「大丈夫だよ。ぼくたちが来るのが早かっただけ」
「ちょうど
「あ、なにかあったの?」
智生の問いかけに、隆之介がぼくの方を見て話をするようにうながしてきた。
ぼくは昨日おばあちゃんと豊田神社にある井戸に行った事、そしてそこで起こったことを話した。
「……不思議な事があるもんだな」
「ぼくも、その場に立ち会いたかったな」隆之介も言った。
「その姿って、ぼくたちにも見えるの?」
「たぶん見えると思うよ」
ぼくはポケットから玉を取り出して隆之介に渡した。
手にした玉の中をしばらくすかして見た後、隆之介はなんだか興奮したような顔になっていた。
「ほんとに、身体がもどってる。それに玉も少しだけ大きくなってる気がする」
「ほんとに?おれにも見せて」智生が隆之介の手から玉をとってのぞきこんだ。
「ぶわっはっはっは!」突然、智生が笑いだした。
「なんだよ、このカッコ。まるでダルマ……いてててて!」
頭を押さえて智生が座り込んだ拍子に、玉が地面に落ちた。
【その下品な笑いはなんじゃ!だるまとかいう呼び名も、わしをばかにしておるようにきこえるぞ】
「相変わらず、進歩がないね」ためいきをつきながら玉を拾った隆之介は、蓮に渡した。
「このまえも、急に水につけようとして痛い思いをさせられてたんじゃなかったっけ?」
「そうだけどさ。その姿見たら、そうとしか見えなかったんだもん」ふくれ顔で智生は言った。
「それに、この前よりもずっと痛かったぞ」
そりゃ、そうだよ。
だって身体が戻った分、能力も戻ってきてるんだから……そう思ったけど、あえて言わないことにしておいた。
「へえ……ほんとに身体が戻ってる」
蓮が玉をのぞきこんで、感心したように言った。
「じゃあ、『水にかかわる場所』っていうのは間違いじゃなかったんだ」
「そうだね」隆之介が言った。
「でもなあ……水ってだけじゃ、次を探すのは大変じゃねえ?」蓮が言った。
「うーん。いままでの話だと、『たまった水ではないこと』『
「水にかかわる場所……あと四か所だっけ?」蓮が言った。
「えーと……戻ってないのが両手と両足だから、あと4カ所だね」隆之介が確認するように言った。
「手と足、セットでおいてあると見つけやすいのにな」智生が言った。
「そんなに、たやすくは見つけられないようにしてあると思うよ?確か『反省せよ』って感じで試練を与えられているんでしょ?見つけるのは大変と思っていた方がいいよ」隆之介が言った。
続
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます