新たな謎解き

 そうだった。

天狗さんは6個に分けられちゃってたんだ。

ぼくが最初に見つけたのと今日見つけたのとで、まだふたつ。

あとよっつも見つけないといけない。

「あと4ヵ所……」どこにあるのか、ぜんぜん思いつかないや。

おばあちゃんは用事があるというので、一度おばあちゃんの家まで送ってもらって自転車で公園に行った。

「お~い。悠斗はると!」声がした方を見ると、れんが妹を連れて立っていた。

「蓮、来てたんだ。今日はなおちゃんも一緒なんだね」

「ああ。とうちゃんとかあちゃんが出かけちゃってさ。おれに『直の面倒、ちゃんとみなさいよ』だって」

「へえ、そうなんだ。でも、いつものかくれんぼだったら直ちゃんでも遊べるから大丈夫じゃない?」

「そうなんだけどさ……。あ、直。そろそろトイレに行ったがいいんじゃないか?さっきジュースたくさん飲んだだろ?」

「うん……でも、トイレの前で待っててよ?おにいちゃん」

「わかったわかった……あ、悠斗も来いよ」

「うん。いいよ」

なにか言いたげな蓮の様子に、ぼくもトイレまでついていくことにした。

 

 直ちゃんをトイレの前で待つ間に、蓮が口を開いた。

「遊ぶのはさ、直が一緒でもいいんだよ。でも、あいつがいるとあの話ができないだろ?」

「あの話……天狗さんのこと?」

蓮はこっくりとうなずいた。

「おれたち4人だけの時にしか話さないがいいかなと思ってさ。古田の件もあるし。内緒にしとけよって言っても、あいつ、まだ小さいからしゃべっちゃうかもしれないしな」

そうなんだよね。

天狗さんが『秘密にしろ』と言ったわけじゃないし、みんなで探した方が残りの天狗さんが早く見つかって“元の姿”に早く戻してあげられると思う。

でも……なんとなく、だけど。

あまり大げさにしたくない気がするんだ。

「じゃあ、今日はその話はできないね。……報告したいこと、あったんだけど」

「なにか、あったのか?」

「うん。あのね……」

「おにいちゃん、ありがとー」

言いかけた時に、直ちゃんが戻ってきてしまった。

蓮を見ると、苦笑いしていた。

 

 みんなが来るまでと、3人で『けん・ぱー』で遊んだ。

地面に小さめの円をひとつだけとふたつ並べたものとをいくつかたてむきに書いて、ひとつの円は片足で、ふたつ並んだ円は両足で踏んで進んでいく。

道具も何もいらないし、ルールもかんたんなゲームなんだけど。

……ぼく、って苦手なんだよな。

運動が得意な蓮は当然として直ちゃんまですいすいこなしていくのに、ぼくはなんどか転んじゃって……ちょっと悔しかった。

それに結局隆之介りゅうのすけ智生ともきもこないまま帰る時間になってしまった。

「またな!」

「悠斗おにいちゃん、ばいばい!またあそぼうね!」

「ばいば~い!」

二人と別れたぼくは、物足りない気持ちのままおばあちゃんの家に戻った。

 





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