謎解き 4
そういえば前にテレビで放映してたのを観た覚えがある。
一緒に観てたママが、高校生だか大学生のころ最初に観たって言ってた。
「あ~、そういえばあったね」ぼくは言った。
「ああ、あったような・・・・・・でも、よくそんなの思い出したな」と
「まあね、なかなか興味深い映画だったから。ときどき観なおしたりもしてるし」
「多分この池も、そういうゴミ?自然の中にないものが捨てられてるんだと思うよ」
「そういえば、兄ちゃんが言ってたんだけどさ」痛みから回復したらしい
「ここの池、学校が近いだろ。昔、校庭の朝礼台が投げ込まれてたことがあったってさ」
「ええ?それ、運動会とかで校長先生が立つあの台だよね?そんなもの、小学生で運べるの?」びっくりして、ぼくは聞き返した。
「まさか。小学生じゃないよ。中学生か高校生かわからないけれど、学校に忍び込んで持ち出してイタズラしたんだって。兄ちゃんも人から聞いた話って言ってたけどね。うそではないらしいよ」智生が言った。
「まあ、その話がホントかウソかはともかく、この池は道路にも近いからね、こっそり何か捨てに来る人がいてもおかしくないよ」隆之介が言った。
「たとえ壊れて捨てるにしても、ちゃんと捨てないと。モノには念がこもるからね。ぞんざいに扱うと、悪しきものともなりうる・・・・・・とかあさんが言ってた」
「
「まあねえ。オカルトとか摩訶不思議なものとか大好きな人だからね。ぼくにまで強要することはないから、そこまで気にしてないけど。やっぱりいつの間にか覚えちゃってるもんだね」苦笑しながら隆が言った。
「この池がダメでもさ、川とかだったら大丈夫なんじゃね?この辺の川は浅くて底も見えてるし。ゴミとかないと思うんだけど」蓮が言った。
「う~ん。それでも生活排水も流れてると思うし。たんぼや畑にまいた農薬や化学肥料も雨で溶けて流れてそうだし。天狗さんが暮らしてたころは、そういう“人工のもの”なんてなかったんじゃない?」
そっか。
天狗さんが何歳かはわからないけれど、自然の力を操ってたって言ってたから周囲には自然しかなかったはず。
「あ、そういえば。隆は『水にかかわる場所』って思いついたときに、どんな場所を想像してたの?」ぼくは聞いてみた。
「池は違うと思うって言ってたけど・・・・・・」
「ぼくも最初は川か海かって想像してたんだ、流れがある水。だけど、さっきの天狗さんの反応から池はもちろんのこと川も海もリストから外れちゃったんだよね。あと思いつくのは井戸なんだけど、今でも井戸を普通に使っている家なんてないよね」
続
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます