第32話 センスがない

無印でお菓子などを買って次は服屋を探して彷徨いている。

多種多様な服屋があるせいで全く何処に行こうか決まらない。

H&MとかWEGOが最終的に行きつきそう。


「響って服とか誰が買ってたの?」


「…自分のお小遣いで…買ってた」


「センスってお金で買えないかな」


「僕と東海林君がセンスを買おうとすると億単位の金が必要だよ」


「普通の人はどのくらいなんだ?」


「数万程度」


「うわっ…オレのセンス、低すぎ…?」


「10万が貰えそうな、オーデションだね」


「…選んでくれる…だけで…嬉しいよ?」


「そういう事言うと、秋山が本当に変なもんを買いそうだな」


「僕を何だと思ってるの?」


「職業が遊び人だよな」


そんな会話をしていると、何故か知らないがABCマートの前に来た。

一応右側にはGUがあって、その隣にアカチャンホンポがある。

適当にエレベーター乗って回ってるから、買い物永遠に終わらなそう。



「アカチャンホンポがあるよ」


「トイザラスは行ったことあるけど、アカチャンホンポは行った事ないな」


「大人になんかなりたくないよ」


「大丈夫、俺と秋山は大人になれん」


「…それは…大丈夫なの?」


「僕は大丈夫だよ。人生どうにかなるし」


「それは単純に人にリードで引っ張ってもらってる人生だと思う」


秋山はリードをつけてもどっか変な方向に行くし、リードをつけないと突っ走って沼の方向に行くような人間なので、周りの人がどんどん巻き込まれていく。

知らないとばっちりを喰らうことがあるのだが、もうそんな事には慣れてしまった自分もいるのが少し嫌になる。

昔、俺が問題を起こせば秋山もとばっちりを受けるのではと考えた事もあったが、俺だけが怒られそうだし辞めておいた。


「とりあえず秋山はアカチャンホンポに向かおうとしないで」


「ならしょうがない辞めておくよ」


「隣にGUあるけど一応見て行くか?」


「良いと思うけど僕らにはセンスが無いよ」


「…見て行きたい」


響が見たいと言うことなのでGUに入って行ったが、久しぶりに来たのでこんな感じだったっけ。

左にレディース、右にはメンズの服が販売されており、俺は基本的に身長とウエストのせいでレディースの服を買うけど響はどうするんだろうか?


「…どんな服を…買えば良い?」


「ここ二人に聞かれても何も答えられないぞ」


「僕もこう言うのは向いてないよ」


「やっぱセンス買うか?」


「お金ないから無理だよ」


「…どうしよう」


「別に今日じゃなくても良いよ」


「…なら…今度にする」


結局服屋はあまり見ずに、ラゾーナから帰宅した。

帰ってきて、最初にやる事はまずは米を炊き始める事、二人はたぶん料理ができない。

秋山は料理が出来ないとかそう言うレベルでは無い。ステータス的なものが見れるのなら料理スキルは零か壱って所だろう。

響は使っているところを見た事ないので分からない。


「秋山と響は今日何食べたい?」


「僕はカレー以外なら何でも良いよ」


「…私も…何でもいい」


「なら炒飯でも作るか」


「この家は中華鍋あるのかい?」


「実は一応あるんだよな。全然使わないけどね」


「…使った事は…あるの?」


「何回かあるけど、最後に使ったのはいつだったっけな」


「僕の前では使った事ないよね」


「秋山前では一回も使った事ないな」


炊飯器で米が炊き上がるまでめちゃくちゃ暇なんだけどどうしよう。

そして何で響はずっと立ってるんだろう。ソファとか座れば良いのに、秋山なんて帰ってきて、歯磨き粉とかを所定の位置に置き終わったら座った。

もしかして座っちゃダメとか思ってるのか?


「響は座らないの?」


「…一緒に…座ろう」


「それの為に立ってたのか?」


「…うん」


何か本当に響は大丈夫かな。

やっぱり依存してきてない?

このタイミングで嫌いとか言ったら響きが精神崩壊しそう。


「ソファ座るか」


「…うん」


「僕も隣座って良い?」


「良いよ」


椅子に座っていた。秋山もソファに座って結局三人で座ることになった。

俺を挟むように毎回座ってるけど、これって定位置なの?

別に何でも良いけどさ。


「…東海林さん…お願い…がある」


「何?」


「…今度親族の集まりに…来て」


「別に良いけど、秋山も一緒で良い?」


「…うん…大丈夫」


「て事で、秋山も来てくれると助かる」


「毎日暇だから僕は大丈夫だよ」


「バイトしてない学生なんて毎日暇だよな」


「僕はバイト向いてないんと思うんだよね」


「何なら働くのに向いてない」


「…私も…向いてない」


「向いてなくても何とかなると思うよ」


「響は言葉が詰まっちゃうんだよな」


「…多分吃音だと…思う」


「吃音ってストレスとかでなったらするし、治って行くんじゃないかな」


「…そうであって…欲しい」


吃音だろうが何だろうが響に変わりはないから、個人的には何にも思わないんだけどな。

それでも会った頃よりは良くなってる気がする。



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後書き


これ書いてる時が、寝る前でバリ眠いので誤差してる可能性あり


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男友達だと思ってた奴がなんかおかしい 大坂 @osakashoji2

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