第29話 体育ってキツくね?

俺と秋山は体育館に着くと、そのままクラス順に並んだ。

隣のクラスを見ると響がいたので、一緒の体育らしいな。

まぁ案の定三人とも体操着なんて物は持って来てないので、私服だけどまぁ何とかなるでしょ、


チャイムが鳴り響き始めると前に教師っぽい人が来た


「4時間目の体育を始める。早速だがやりたい競技を決めてもらうぞー」


そして全員に紙が配られるそこには、卓球、バドミントン、テニス、バスケットボール、サッカー、ベースボールと書かれていた。


「まずだが、そこに書かれてるのは今年の体育の授業でやるスポーツだ、そこの中から人数を見て前期と後期でやる種目を選ばしてもらうだから好きな物を選んで良いぞ」


「鉛筆ない奴らは貸してやるから手を挙げてな」


俺と秋山のクラスの奴らはほぼ手を挙げた。

隣のクラスの奴は数人だけしか手を挙げていない。

多分だがうちのクラスの連絡係が何も連絡してなかったんだろうな。

ついでに言うと俺は何係なのか、何委員会なのかは全く知らない。

多分ちゃんとやらないし。

そんな事を思っていると前から鉛筆が回ってきた。とりあえずテニスにでも丸をつけておく。


皆んな周りの子と話しながら決めたりしてるみたいだけど、俺は特に秋山と響以外この学校で話す相手が居ないんだよな


「書き終わったら前に回してくれ」


後ろから来た紙に俺の紙も乗っけて前に回す。

Google classroomがあるのに何で紙でアンケート取ってるんだろうな。


「回した奴は今日は体育館内でバトミントン、バスケ、卓球のどれかを選んでやって良いぞ」


教師がそういうと、みんな散らばって行った。そしてすぐに秋山と響が俺の近くに来た。


「…なんか今日、ずっと眠たい」


「僕も少し眠くなってきた」


「昼飯を食べた後だから眠いんじゃないか」


「確かにそうだね」


「それで何だけど、二人は体育どうするの?」


「僕は体操着が無いから何も出来ないよ」


「…私も出来ない」


「3人いて3人とも何も出来ないのか」


体操着をクラスに置いておくのが一番良いかもしれないが、それはそれでめんどくさい。

友達が別のクラスにいればその子から借りれば良いのだが生憎と友達なんてほぼ居ないし、増やすと秋山と響の相手を出来なくなると思うから増やすかもない。


「とりあえずここだと邪魔になるから角っこの方に行くか?」


「うん、そうしよう」


「…うん」


俺達は体育館の入り口の方に向かった。

角っこの方に行くのも良かったが、入り口の方が近かったのでそっちに向かった。


「何もしてないのに教師も何も言わないあたり、今日は何でも良いんだろうな」


「響君はまだ眠そうだね」


「…眠い」


「なんかずっと眠そうだな」


「…ここは寝ても…良い?」


「流石にやめたほうが良いと思うよ」


「寝始めたら怒られそうだよな」


元々は響っていつもは何時間寝てたんだろうな。

もしかしたら睡眠時間が長い人なのかそれとも今まで短くて、不健康な生活だったのがいきなり長く取れるようになって眠いのか。どっちなんだろう。

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