第28話
響が寝て、秋山は隣にいる。
何か不思議な光景な気がしてきた。
こんな感じの高校生活を送るという事は一切考えておらず、なんならめちゃくちゃまともに学校行って勉強する感じだと思っていたが、実際は入学式は入院で行かなくて、そこ後ももう一度入院。
やっぱりお祓い行った方が良い気がする。
とりあえず神様がなんとかしてくれるでしょう。
「ねぇ、東海林君」
「うん?何?」
「夜ご飯は何をする?」
「多分だけど俺が作る感じだよな」
「僕と響君は超下手だよ」
「まぁ作るのは良いけど、めんどくさいものは作らないからな」
「作ってくれるだけ嬉しいよ」
「じゃあカレー」
「カレーは流石に飽きたよ」
「まぁ響にもあとで聞いてから決めるか」
「響君って何か好物なんだろう」
「言い方が動物に対して言い方な気がするが、確かに何が好きなんだろうか」
「案外、僕達って響君の事知らないよね」
「確かに知らないな」
「響君の親とか見たことないよね」
何かすごい気まずい。
そういえば、秋山には響の事を話してなかったな。
響が良いっていうなら話すけど、流石に言うのは俺的には嫌だな。
刺されたとか言ったら、秋山もめんどくさいことになりそうだし、てか絶対なるよな。
また引きこもられても困るしな。
「東海林君、このまま帰ってみる?」
「学校抜け出して帰るのか」
「中学時代にも何回もやったよね」
「秋山がどうしても帰りたいって言うからだろ」
「その後、先生に怒られたよね」
「そうだな。高校では何にも問題を起こさないで過ごして」
「それは無理だと思うよ」
どっかのコンビの人みたいに俺は平穏な生活をしたいんだが、秋山が居るから今までそんな事は無理だったし、何なら高校になってから響が追加された。
スマブラもびっくりの参戦だけど、問題児が増えてももはや変わらん。
どっちみち俺が疲れるだけ。
「そろそろ響を起こそうかな」
「ここは17時までやってるみたいだけど、授業だから起こしたほうが良いかもね」
「響起きて」
目の前の響を揺らしてみた所。
今回は目を覚ました。
「…おはよう」
「おはよう、そろそろ時間だよ」
「響君も起きたみたいだし、片付けていこう」
「そうだな。とりあえず行こうか」
各自で食器を返却口に返してそのまま食堂を出た。
そして何故か俺と響と秋山は手を繋いでいる。
何故こうなったのかは分からないが、とりあえず二人が喜んでいるなら良い気がしてきた
「次の授業は何だろうな」
「2クラス合同の体育だよ」
「地獄か?」
満身創痍な体で体育などしたら死んでしまう気がするが、頑張ってやるしかない。
また入院するならそれはそれで良い気がしてきたがそんな事ばかり繰り返してると卒業出来なくなりそう。
「じゃあ響、また後でね」
「…うん…」
そして響と俺達は別々の教室に戻って行った。
「次が体育でも東海林君は着替え持ってきたかい?」
「持ってきてる訳ない」
「僕も持ってきてないんだよね」
「俺と秋山はやる気ゼロだな」
「やる気スイッチが中々見つからないからだよ」
「さっさとやる気スイッチは見つけてもらった方がよいな」
「塾でも行こうかな?」
「塾講師が可哀想だから辞めておいた方が良いと思う」
秋山って塾とか通っても中々行かなそうだよな。
そんな事を考えながら周りを見ているともう体育館に向かっていくクラスメイト?が結構居た。
よく考えたら体操着どころか、体育館履きも持ってきてないな。
何しに学校来てるんだろうか
流石に今から家に取りに行くのもめんどくさいので俺と秋山はそのまま体育館に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます