第21話 響の家に行った

家に入ると、まず最初に玄関が凄いですね。

なんて言う事でしょう。段ボールが積み上がってるではありませんか。

これにはリフォームの匠もぐったり。

とそんなバカな事を考えてる場合ではないんだよな。


「響、何をしに来たんだっけ」


「…親に…言いにきた」


「確かに言った方が良いな」


「…東海林さんと…住みたい」


「一緒に住むぐらいなら良いよ」


「…えへへ」


「てかさ、響の親がいるはずなのに、家に入って何も言われないのか?」


「…この時間は…酔ってると思う」


「なるほど、てかなんでこんなに色々ものがあるんだ?」


「…親が色々…買ってくるから」


「まぁこんな事言うのもあれだけど、なんか必要なさそうな物多くない?」


「…うん…必要ない」


俺と響は、ほぼ玄関から進んでないんだが、多分廊下を真っ直ぐ行った所がリビングだよな。

こう言う家って大抵廊下をまっすぐ行くとリビングで、隣の部屋が寝室だったりするよな。


「よし響の親に会うか」


「…うん…気をつけて」


「気をつけるの事あるのかな」


俺はそう言い、俺と響は廊下を通りリビングに行ってみた。

そこには一人の男性が、酒を飲みながらテレビを見ている光景があった。


「あの人が、響の親?」


「…うん…」


「チッかえって来てたのか」


響の親がこっちを向いていった。

なんか性格悪そうな感じだな。


「…うん…かえってきた」


「となりのテメーは誰だよ」


「響の同級生の東海林です」


「…東海林さんの…家で住むから…じゃあね」


あれ?思ったよりど直球に言ってるやん。

もっと親に対してなんか無いんかなと思ったが、響は親が好きじゃ無いんだろうな。


「クソ生意気な事言いやがってぇ」


響の親は、響の方に殴る体制で走って来たが、響の手を掴んでこっちに引き寄せると、そのまま壁に突っ込んでいった。

猪みたいだよな。

てか響ももっと避けようとしようよ。

なんか少し行動が遅いのも響っぽいけどさ。


「響、大丈夫?」


「…大丈夫だよ…」


「響は、もっと避けようとしような」


「…うん…」


「チッお前ら本気でやられたいようだな」


壁に突っ込んでた、響の親が言ってくる。

壁に突っ込んだんだからなんか説得力ないよね。

てか響は、腕をずっと掴んでくるようになったんだけど、猫みたいだな。


そして響の親がもう一度こちらに向かって走って来たので、ギリギリ避ける。

響も一緒に避けているのでもう少しで当たる所だった。

響の親はキッチンに突っ込んでいった。


「響、そろそろ帰る?」


「…うん…帰ろう」


そんな会話をしていると、響の親がキッチンから包丁を持って出て来た。

酔ってるに包丁は危なすぎるし、逃げようとしても、避けたりしてるうちにドアから少し離れたところにいる。

さてどうしようか?


「お前ら死にてぇようだな」


「まだ死ぬ予定は残念ながらないんですがね」


「…まだない」


次も響の親がこっちに包丁を持ちながら向かって来た。

距離が近すぎて、多分今回は避けれない。

なんならこのままだと響に包丁が刺さってしまうので、俺は響の方に避けようとした。

「あっ…ぁ」

そしてちょうど響に覆い被さった所で俺の後肩らへんに包丁が刺さってしまった。

うん、秋山の入れて2回目かよ。

俺の肩包丁好きすぎだろ。


「……ぁ…ぁ」


包丁が引き抜かれたのが、血の出る量でわかった。

そして響の親は玄関の方へ走って逃げていった。

2回目なので、思ったより心にダメージは無いが、ちょっと血の出る量がやばいかもしれない。

響がちょうど目の前に居るけど、どうすれば良いんだろう。

前の時は、気を失った後に病院だったからな。

……よく考えたら前にそんな事があるのはおかしいのでは?


そんな事を思っているうちに、視界がふらついて来た。

響が何か言っているのだが、もうわからない。

俺は目の前に居る響を撫でて、気を失った。



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