第22話 また病院

目覚めると、見慣れた天井が見えた。

これは病院だな。それも位置的に前と同じ部屋のベッドな気がする。

ここが俺のリスポーン地点なのか?

マイクラみたいだな。

てかそんな事を考えている場合ではないな。

さて、とりあえず寝っ転がってるだけじゃなくて起き上がるか。


俺は起き上がろうとしたが、何か足元とかがあまり動かなかった。

てか多分なんか居るよね。

猫か?でも病院って動物は、多分ダメだよな。

そんな事を思いながら、布団をめくってみると、そこには響が居た。

いつから病院のベットは添い寝OKになったんだ?


とりあえず響を起こさなければ、起きれないな。


「響、起きて」


呼ぶだけでは、返事がないただの屍のだったので、とりあえず響を揺らしてみた。


「……う…ん?」


「おはよう、今何時か知らないけど」


響が起きたと思ったら、また目をつぶって寝ようとしている。

もしかして夜中か?でもお爺さん達の会話声が聞こえて来るから夜中ではないよな。

てかまだあの人達入院してたのかよ。

一度出ても戻されるここはアズカバンかな…


「響、寝ようとしないで」


「…うん……⁉︎…東海林さん」


「そうだよ?とりあえず響離して」


「…頭…撫でて」


「撫でたら離れる?」


「…いや」


「じゃあ起き上がるから一旦、ベッド降りてくれない?また乗っても良いから」


俺がそう言うと、響は降りてくれたので、俺は上半身だけ起き上がれた。

何か背中が痛い。それは置いておいて、響は何でここにいるんだ?


そしてまた響がベッドの上に乗ってきた。

猫みたいだよな。


「響は、なんで病院で寝てるんだ?」


「…東海林さんが…起きないから」


「俺は刺されてから何日経過した?」


「…2日間…」


「響はまさか、2日間ここで寝泊まりしたのか?」


「…うん…」


「まぁ病院が良いっていうならそれで良いけど…そうだ、秋山は来た?」


「…来たよ」


秋山来たなら、響を連れて家に帰れば良いのにって思ったが、大方響がここに居るって言い出したんだろうな。

しかし相変わらず、入院しても1人ぐらいしか見舞いに来ないのか。

人望なさすぎて、死にそうだな。


「てか、いつ退院できるんだろう」


「…分から…ない」


「響は、帰らなくて良いのか?」


「…一緒に…居る」


響は帰らなそうだし、入院中やる事無いんだよな。

入院生活に逆戻りか、地味にキツイ。

規則正しい生活なんて出来るわけないし、飯は…まぁファミレスとかに比べると薄いけど、別に作ってもらってるから良いかな。

自分で作れるなら、自分の好みに合わせるけどね。

よく考えたら、響は飯はどうしてるんだろうか?


「…東海林さん…何をしたら…喜ぶ?」


「今の所は特にないけど」


「…何でも…良いよ」


「何でも良くても、特に無いんだよな」


話してるついでにベッドの上に居る響を撫でる。

響は表情をあまり顔に出さないから分からないけど、嫌そうにしてないからもう少し撫でておこう。


「…本当に…何でも良いよ」


「俺が刺された事でも気にしてるの?」


「…うん…私のせいだから」


「そんな事は無いんだけど、何かしないと響的には嫌なんでしょ?」


「…うん…」


「ならとりあえず決めるのは帰ってからにしようか」


「…分かった」


家に帰る時まで忘れてくれれば良いんだけど、そんな都合が良いことになるかな?


後書き


何か学年に1人は入院しまくるやつ居たよな

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