第5話 隣の席の奴
川崎駅から最寄り駅まで秋山と一緒に来たおかげで今度は迷わず学校に着くことができた。
今は秋山と学校内の廊下を歩いているのだが、ちょうど時刻は6時間目始まる5分前
いわゆる10分休憩とか言われる時間帯。
「秋山と俺は同じクラスだっけ?」
「同じクラスだよ。席は隣じゃ無いけどね」
「秋山と隣の席になったらそれはもう中学の時と変わらないんだよ」
「僕は東海林君が隣が良かったけど」
「席替えの時に、言えば隣になれるんじゃない?」
「確かに…なら今度は東海林君の隣になれるように頑張るよ」
中学から何故か知らないが秋山の隣にされる事が多かった。
それも秋山は不登校気味だったから、席はあってもいない事が多かったし、俺が秋山の家まで行って学校に連れて行く事が多かった。
その行動を皆、廃品回収って言ってたけどね。
「東海林君と僕のクラスはここだよ」
「1年B組…新八先生?」
「東海林君は一体何をいってるの?」
「いや…分からないならそれで良いよ」
「重いつばさ」
「知ってるじゃねーか、何で知らんぷりしたんだ」
「何となくだよ」
「何か秋山といると疲れる気がするよ」
さて何か俺のHPが減ったのでクラスに入ることにした。
ガラガラと本当に古いドアの音がするが、この音を聞くと黒板消しを挟みたくなる。
クラスに入ったのだが…うん、可愛い子の方向を向いている男子が何人もいる事が伺える。
やっぱ胸は多い方が正義なのかな、俺は別にどちらでも良いけど。
「東海林君の席は一番後ろの窓側だよ」
「何その小説でしか見た事ないような席配置は」
「遅れてきた人とかが窓側とか後ろ側になるのは小説のあるあるだよね」
「とりあえず席座るか」
「そうだね、でも次ロングホームルームだよ」
「……俺来た意味なくない?帰ろうかな」
「だめだよ。せっかく来たんだから」
「名前だけでも覚えて帰ってくださいなって奴?」
「東海林君は名前覚えるの苦手でしょ」
「そうなんだよな、人の名前なんて覚えられない。そいつに興味ないし」
ガラガラという音と共に教師っぽい人が入ってくる。
この学校の欠点だけど、生徒は全員私服で教師も私服なので、誰が教師なのか分かりづらい
教師は名札でも付けといて欲しい。
「ほら席につけ〜、ロングホームルーム始めるぞ」
教師の一言でクラスにいる奴は全員が自分達の席に座った。
隣の子も席に座ったのだが、残念ながら女子が隣でした。
挨拶ぐらいはしといた方が良いか。
これから数ヶ月ぐらいはお隣さんという事だしな。
「俺は東海林よろしく」
「……よろしく……」
何か喋るの苦手か、俺の事をもう嫌ってるかの2択な反応だな。
「喋るの苦手?」
「……うん…」
「そうか、話す事も余りないし、何かあったら頷いてくれれば良いかな」
コクっと隣の席の子は頷いてくれた。
まさかの初回の學校こんな感じか。秋山と初めて会った時よりはマシかな。
リアルに秋山と初めて会った時は殺されかけたしな。
「明日も学校ってある?」
「……うん…」
「そうだ、一応名前教えてもらっても良い?」
「……東…愛香…」
「東さんね、覚えておく」
流石に隣の席の人ぐらいは覚えておかないとこの先の学校生活に支障が出てきてしまうと思うし、なんならこのやり取り側から見ればただのナンパな気がしてきた。
これで連絡先も聞いたらナンパ確定だな。
それとロングホームルームだし寝てようかな。
成績に入る物ではないと思うし頑張って聞いてる必要も無い。
それなら寝るしか無いやろ。
後書き
僕は人の名前興味なさすぎて覚えなくて、毎回あいつ、とかこいつって言ってます。
なんか…ごめんなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます