中編(2)
目が覚めると、そこには見慣れた天井があった。今日の朝も見上げた天井だ。もう目覚めない覚悟を持って目を閉じたけれど、目を覚ましたらしい。だけど、お腹に違和感はない。そもそも、刺されたんだから目が覚めるのは普通病院か夜葉の部屋でしょう。あれは夢だったの?それにしてはリアルだった気が…。
そう思いながらいつも通りテレビをつけると、ニュースは驚くことに朝と同じ日付を指していた。どういうこと?なぜかわからないけど、また朝に戻っている…らしい。
この短時間にいろいろありすぎて整理が追い付かない。何が原因でこんなことになっているのかしら。原因を考えるならやはり刺された後。夜葉が何かしたとは考えにくい…となると刺されたときか、気を失ったときに何かあったと考えるべきよね。
いや、刺された後にも意識があったんだから、原因としては”気を失う”の方が考えやすい…。もしかして、死んだら朝に戻る?そんな突拍子なことがあるかしら。いや、突拍子なことは今更ね。とにかく、時が戻るのなら私は強気に夜葉を説得できる。夜葉に何をされても怖くない。説得に失敗してもやり直せる。これは神様がくれたチャンスかもしれない。夜葉の犯行を止めて、夜葉も被害者も私が救うんだ。
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