中編

 そうして開けた扉の先には、洋館のような作りをした廊下が待っていた。古びてはいるけど、雰囲気も先ほどの廊下とは明らかに違う。扉も多いし、階段もある。足をけがをしているから、調査は骨が折れそう。


 手始めに一番近い部屋の扉を開ける。電子錠が付けられている様子はない。部屋の中は子供部屋のような作りをしていた。そして机の上にはなぞなぞのようなものが書かれている紙がある。これは脱出ゲームか何か?どうして私にそんなことをさせたいのかわからないけど、今はとりあえず進もう。ここも長居は危険かもしれないし、これしか手掛かりはなさそうだし。


 こうして私は謎解きを始めた。謎は自分でも驚くほど簡単に解くことができた。私としては、謎よりもところどころに仕掛けられている罠に苦労した。手を突き刺すようにでてくるナイフや、その場から動けなくするような手錠や足枷。怪しいガスが噴き出す仕掛けもあった。どのみち、命を狙われているようだ。しかし、理由は見当もつかない。


 精神をすり減らされながら、私は最後と思われる謎を解き終わった。素早く解いていたつもりだったが、足のけがもありそれなりに時間がかかった。水も食べ物もないのはなかなかきつい。とにもかくにも、私は厳重な扉の部屋に入った。部屋は殺風景だったが、さらに扉があった。その扉には鍵がかかっていて開かない。だけど、ここのカギを得るヒントはなかったはず。それとも見逃している?そう思い引き返そうとすると鍵が開く音がした。驚いて振り向くと、長身の男が立っている。


「ここに私を閉じ込めたのはあなた?いったいなんのつもり?」


「いい加減にしてくれよ。珍しくけがはしたらしいが、何回クリアするつもりだ?早く死んでくれよ」


 私にはこの男が何を言っているのかわからない。そして、会話するつもりもないらしい。男は一瞬で私との距離をつめ、意識を一瞬で奪った。

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