場所
「通常であれば、次はこの空間で簡単な戦闘訓練やステータスやシステムの説明を行うのですがダンジョンマスターの場合は時間がかかってしますので実地での説明となります。」
そうか、ちゃんと説明してくれるならどちらでも構わない。
「ご理解ありがとうございます。次は、開始位置を選択してください。ちなみにこの選択がこの空間での最後の選択になりますので、キャラデザインの変更をする場合は開始地点を選び終える前までにお声掛けください。」
キャラデザインの変更はしないから問題ないな。さっさと開始位置を決めてしまおう。
マップが現れたな。横に階層を変更する矢印もある。ここから開始地点を好きに選べということなのだろう。
階層を変えると砂漠、森林、海、草原とかの特徴的なマップが広がっている。アドバイス通りいくなら人が来ないところだが........わからんな。絶海の孤島や、空に浮かぶ島、砂漠、深い森、山岳等、選択肢が結構あってどれがいいか悩むな。このままだと時間がかかりそうだし、聞いてみるか。
「おすすめですか?17風塵砂漠、31大瀑布、B15神聖霊園、B23幻想氷原、B28溶岩平原などが活動するプレイヤーが少ないですよ。」
生きていくには酷な場所と、あまり長居はしたくない場所だな。
「それは仕方がありませんよ。」
それはそうだが.......ふむ、どうするか。そうだ、ダンジョンの形状は指定ができるのか?
「残念ながら、最初は洞窟のみです。ダンジョンマスターの職業レベルが上がれば最初に選んだ場所から土地を侵食して城や塔といった建築物型のダンジョンを増築することも可能になります。」
そういうことか、それならここがいいな。素人考えだが他のところに比べたら人目に付きにくい場所が多い。
31の大瀑布のマップを詳しく教えてくれ。
「マップの名前からもわかるように大瀑布と呼ばれるとても大きな滝がマップ北部に横断するようにあるのが一番の特徴です。南部に行くにしたがって滝のサイズ、高低差が小さくなり最終的には穏やかな小川になります。滝と川意外の場所は密林で構成されています。プレイヤーの活動拠点としては大きな町が中央に一ヶ所、そして各地に中継地検になる小さな村があります。」
いいな、大瀑布の裏にダンジョンは設置できるのか?
「可能です。」
聞いておいてなんだが、滝の裏とかの洞窟とかはよくあるし人気のポイントなんじゃないのか?
「初めからダンジョンマスターをやりたいと思われているプレイヤーの皆様は、ダンジョンを大きくすることに積極的ですから生物が近づかないもしくは近寄りづらい場所は人気がないんですよ。」
大きな滝だから観光地として人気なんじゃないのか?
「遠くから観察するプレイヤーの方は多くいます。」
ふむ、近寄れない理由でもあるのか?
「遠くから観察するプレイヤーの方は多くいます。」
同じ答えだな。答えられない理由があるということか。まぁ、いい。静かにゴロゴロするにはいい場所だろう。折角だ、大瀑布のど真中の裏側にダンジョンを設置するぞ。
「開始場所はここでよろしいですか?ここの空間を抜けますとキャラデザイン等の再設定はできなくなりますが、よろしいですか?」
ああ、頼む。
「では、31大瀑布へ転移します。」
目の前が真っ白になったな。チュートリアル空間がこれで終わるのだろう。
「転移完了しました。スー様、足元に注意してください。」
む、意識的に目をつむっていたな。しかし足元に注意しろとはどういうことだ?しかし、なにかうるさいな。爆発音というか、なにか大きな物がぶつかって弾ける音というか、なんだ?まぁ、いい何はともあれ目を開けてからだ。
...........壁?これは、岩肌か?となると目の前にあるのは岩の壁だな。左右も...同じく岩の壁だ。後ろは、水の壁か?足元は....駄目だな一歩でも下がったら水の壁に当たってしまうな。ということは、人一人分のスペースに閉じ込められている感じか。
右上に先程までの白い空間でも一緒にいた青い光の玉が浮いている。ここはどこだ?
「ご指定された31大瀑布の裏側です。」
ということは、このうるさい音は流れ落ちる水の音ということか。
「その通りです。」
そうか、ではここにダンジョンを作るということでいいのか?
「そういうことです。では、早速ですがシステム画面を呼び出してみましょう。システムと声に出してみてください。」
システム。......お、色々出てきたな。
「今は最初ですから声に出してシステムを呼び出してもらいましたが、慣れてくれば考えるだけでシステムを呼び出せるようになりますよ。」
なるほど。
「次はシステム欄の中からスキルの項目を選んでください。」
スキルだな。ふむ......使えるスキルは一つだけか。
「先程もお伝えしましたが、ダンジョンマスターはダンジョンの外に出ることはできません。ですが、ダンジョンを持っていない状態であればダンジョンの外を移動することができます。」
そのかわりに、このダンジョンクリエイトっていうスキルしか使えないという訳だな。
「そういうことになります。」
外に出るつもりはないが、一応もしもの時を考えて覚えておくか。
「ではでは、お待ちかねのダンジョンを作っていきましょう。ダンジョンクリエイトをスキル欄から選んでください。」
選択したら、ダンジョンを何処に作成しますか?と出たぞ。
「その状態のまま目の前の岩壁に手で触れてください。」
お!穴が開いたぞ。ここに入ればいいのか?
「はい。中に入って下さい。」
うす暗いがなんとか視認できるな。見渡した感じ洞窟というよりは12畳くらいの部屋みたいな感じだな。それよりも、目につくのは部屋の中央にある赤黒い光を放つクリスタル、流れから察するにこれがダンジョンコアなのだろう。
「そうです。あのクリスタルがダンジョンコアになります。以降のダンジョンメニューはダンジョンコアにアクセスして行うことになります。」
了解だ。触れればいいのか?
「触れる必要はありませんよ。2m以内であればアクセス可能です。近づいてアクセスと言葉にしてください。」
アクセス。ほー、出たな。これがダンジョンメニューか。
ふむふむ.......んー。これはこれは。
出来ることが多いな。見てるだけでも結構楽しい、魔物召喚にトラップ設置、通路や部屋の設置に.....おっ部屋の環境までいじれるのか。こ、これは人を駄目にするクッション!!そ、それにサウナだと!!こんな物まであるのか。これは是非水風呂とセットでお迎えしなくては。
ダンジョンマスター。流れで半分適当に選んだが、なかなかに面白いかもしれないな。
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