1-7

イギリスに到着し、保安局に向かうために用意されている車に乗り込むと自然な流れで運転席に咲希さんが座る。


「お嬢様、保安局へ向かえばいいのですね?」

「宜しく、咲希」

「畏まりました」


運転を咲希さんに任せてサーチエクスペンシブと話すことに。

――――したんだが。


「咲希、もう少し速度出せない?」

「無理です」

「前に車居ないんだから速度出そうよ」

「無茶言わないでください」


サーチエクスペンシブは知らないだろうが、イギリスのスピード違反取締はとても厳しい。

今走っている道路はモーターウェイ。

日本で言う高速道路。

制限速度は70マイル。

だいたい115km/h前後。

日本では140km/hを超えても大丈夫なエリアがあるから

それに比べると遅いかもしれないが、イギリスは高速道路料金なしだからな・・・・・・。


「もう。しょうがないな。ルーズセル。それで、今日の夜について言っておこう」

「ほう」

「21:30に保安局の国際テロ対策部門に行くってことになってる」

「マジかよ」

「これについては僕らに任すってことになってるらしいから」

「俺、責任重大じゃん」

「意外にプレッシャーかかってたほうが出来る人だからな、僕は」

「俺はその逆だな。妙にプレッシャーかかってると出来ない」

「そのくせ、ブラック・キャットの時は平気だったと」

「あの時は別だ」


その話は俺の中で完全に黒歴史になるだろうから。


「お嬢様。もうすぐ到着でございます」

「オッケー。了解」


オッケーと了解同じ意味なんだよね。

車が停まると、サーチエクスペンシブは咲希さんの話も聞かずに扉を開けて

保安局の中に入って行った。



「Thank you for coming, Kokoro.(こころ、来てくれてありがとう)」

「Nice to meet you, Mr.Carol !(宜しく、カロール)」

「Nice to meet you, too. Let me get straight to the point. (こちらこそ宜しく。早速話に入ります)」

「OK.(はい)」

「Do you know Information Assassin?(情報暗殺者、というものをご存知ですか?)」

「Yes(はい)」

「He'll be steal british state secret. It's keep at this building basement.(彼はこのイギリスの国家機密を奪うと予告しました。それはこの建物の地下に保存しています)」

「Can I see it?(それを見ることは出来ますか)」

「Sure. Please come behind me.(勿論です。私の後ろに付いてきてください)」

「OK(了解です)」


話が速くて助かる。

流石イギリス人。

サーチエクスペンシブについては途中から俺に任せてたからな。

英語勉強しろ。

俺だって出来るわけじゃねぇんだよ。


「The memory is 45th dasement floor(メモリーは地下45階に保管されています)」

「ルーズセル、セキリュティ―は切らなくていいのか訊いて」

「はいはい。Mr.Carol, Can you not turn off the security?(カロールさん、セキリュティ―は切らなくていいのですか?)」

「Don't worry. Our security is・・・・・・(ご心配なく。私達のセキリュティーは・・・・・・)」


手相認証、指紋認証の他に虹彩認証があるらしい。

特定の人しか入れない上に、中はセキュリティーが張り巡らされているらしい。


「OK. Can you save the memory here?(ここでメモリーを守っていただけますか?)」

「Sure!!(勿論です)」

「Thank you!! It's reassuring!!(ありがとう!!とても心強いよ!!)」


その後、作戦会議などをして俺らは一旦引き上げることに。

ちなみに、セキリュティ―はすごかった。



20:35

俺とサーチエクスペンシブは例の保安局の地下45階に到着した。


「この中に入って守ってればいいんだとよ」

「なるほど?で、僕らが捕まえると」

「そうだな。そういうことになるんだが・・・・・・」

「どうしたルーズセル」

「嫌な予感がする」

「現在時刻は・・・・・・20:45だな」

「もうすぐか」


俺とサーチエクスペンシブはそれぞれ配置につくと、警戒耐性に転じる。

そして迎えた21:00。

21時になった瞬間、電気が落ちる。

だが、それくらい想定済み。

予め用意していた暗視スコープを付ける。


「デヤァ!!」


サーチエクスペンシブが入って来た2人組に攻撃を仕掛ける。

俺も加勢する。

が、その2人組は俺らとは比にならないほど強い。


「このっ!!」

「サーチエクスペンシブ、伏せろ」


俺は懐から拳銃を出すと撃つ。

が、俺の掛け声を分かってるのかは分からないが避けられる。


「ゴファッ」


サーチエクスペンシブの声が途切れる。

殺られたか。


「クソッ」


俺は2人にめがけて紅梨さんから貰ったを投げる。

命中したにも関わらず、こちらに向かって突進してくる。

そして左腹部に痛みが走ったのを感じて俺は意識を手放した。




≪To The Next Story...≫

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