1章 USBと国家機密
1-1
4月6日木曜日。
俺は中学2年に進学した。
それは良いんだけど・・・・・・。
「んと、また同じクラスですね。島田くん」
紅梨さんと同じクラスなのはまだ許せる。
だけど・・・・・・コイツと居ると崩壊しそう。
「おうおう、ルーズセルくんも5組なのか〜」
秋田こころことサーチエクスペンシブだ。
本名と通り名が逆な気がするけど。
「どうした、そんなに浮かない顔をして。おぉ、そうかそうか。サードラインが居ないからか」
違います。
お前の存在がこの事態を招いてるんだよ。
それを本人が分かるわけがなく。
「それはともかく、よろしくな。安城さんも」
「はい。1年よろしくお願いします」
「サーチエクスペンシブよりよっぽど安城さんのほうがしっかりしてんじゃん」
「お前、殺されたいようだな」
「いやいや、そんな事を言ったんじゃ・・・・・・」
「はいはい。学校では喧嘩はやめてください」
学校ではって・・・・・・。
後でやられるやつじゃん。
◆
放課後。
俺と紅梨さんは梅川台総合図書館に行った。
「いらっしゃい〜」
ここの司書、
「――――で、お前らは結局ついてきたんだな?」
「バレてた?」
影から出てきたのはサーチエクスペンシブとサードライン。
やや遅れてくるのは水無瀬と紗弥さん。
ちなみに紗弥さんはあの後、精霊界を追放されたそうだ。
だからあの超能力みたいなのはもう使えない。
即ち、心を読むことも出来ない。
―――――らしい。
俺たちは席に座って静かに話す。
「そういえば、皆は何処のクラス?僕は5組」
「サーチエクスペンシブに同じ」
「私も5組です」
「わたくしは4組」
「俺は1組だな」
「私は2組」
なるほど。
俺ら3人以外は綺麗に散らばったわけね。
「んなことより聞いてくれよ」
「どうしたサードライン?」
「去年も思ったんだけどさ、なんで
「・・・・・・確かに」
「1組が朝倉、2組が龍造寺、3組が武田、4組が浅井、5組は飛ばして学年主任が織田だからね」
「何この組み合わせ。なんで戦国武将しかおらんの?」
「学年主任が織田なのが笑いますね」
紅梨さん、一ミリも笑ってる顔してねぇ。
まぁ、誰でもない紅梨さんだし。
◆
その夜。
WPTにて。
サーチエクスペンシブ:≪オラオラ≫
サードライン :≪どした?≫
ルーズセル :≪壊・・・・・・れた・・・・・・?≫
サードライン :≪元々だろ≫
サーチエクスペンシブ:≪殺されてぇのか?≫
ルーズセル :≪すみませんでした≫
サードライン :≪大変申し訳ございませんでした≫
サーチエクスペンシブ:≪分かればよろしい≫
サードライン :≪で、要件は何だ?≫
サーチエクスペンシブ:≪あ、そうそう。それなんだけどさ――――≫
サーチエクスペンシブによると、なんか依頼を引き受けたらしい。
内容はというと、機密情報が漏れてるんだと。
サードライン :≪なるほど?≫
サーチエクスペンシブ:≪ご察しいただき光栄です≫
ルーズセル :≪急に怖っ≫
サードライン :≪なんかの伝染病にかかった?ほら、天然痘とか≫
サーチエクスペンシブ:≪・・・・・・≫
サードライン :≪ここまでにしておこうか≫
ルーズセル :≪だな≫
サーチエクスペンシブ:≪時すでに遅し・・・・・・≫
サードライン :≪あ・・・・・・≫
ルーズセル :≪あ・・・・・・(察し)≫
察したところで遅いだろう。
家に凸ってくるのだけは無いと信じたいが・・・・・・。
アイツだけは信じらんねぇからな。
―――って言ったら殺されるよな。
サーチエクスペンシブ:≪話を戻そうか≫
サードライン :≪で、ですね≫
ルーズセル :≪おう≫
サーチエクスペンシブ:≪明日、学校で続きは話そう≫
サードライン :≪了解≫
ルーズセル :≪ok≫
香織 :≪明日、新入生歓迎ですよね≫
五十嵐t :≪その予定だ≫
STの心 :≪何をするとかあるの?≫
五十嵐t :≪おおおおお、おううう!?ちゃんと考えてああ、あるぞ≫
rdの線 :≪文面でこんな文章打つ人初めてみた≫
島田裕志:≪決めてねぇのかよ・・・・・・≫
安城閑華:≪これからなんですね≫
五十嵐t :≪はい・・・・・・≫
澤井紅梨:≪こんばんは〜。会話を見ると、歓迎会(?)の内容が決まらないの?≫
五十嵐t :≪そうです≫
澤井紅梨:≪でしたら、私が明日行きましょうか?≫
STの心 :≪マジィ?≫
rdの線 :≪それには無理があるんじゃ・・・・・・≫
安城閑華:≪嫌な予感≫
澤井紅梨:≪もちろん閑華には仕事を代わりに引き受けてもらいますけどね≫
凄いな。
一人二役なんて普通できないよ。
普通じゃないんだけどね。
何でも出来るところが凄い(?)んだよね。
五十嵐t :≪じゃぁ、マジで頼む!!≫
澤井紅梨:≪わかりました。閑華。そういうことだから≫
安城閑華:≪はい≫
そういうわけで明日は新入生歓迎会。
後輩ができるわけだが、果たして
先輩になれるのだろうか。
俺的にはこの人達には先輩になったとすると、後輩を新しい玩具だと勘違いしそうだよな。
いや、サーチエクスペンシブに関してはホント。
前にも同じようなことがあったから。
その後、サーチエクスペンシブからはとても楽しみ、と連絡が来た。
≪To The Next Sory...≫
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