第四話 魔法幼女登場

「ねえ、あかりちゃん。偉い人からお電話があったんだけど」


 世田谷区の野毛公園。

 そう兎に話しかけられて、近藤こんどう朱里あかりは目を輝かせた。

「面白いお話なの?」

 兎――魔法生命体『ランラン』は小首を傾げる。

「どうかしら。今度、魔王が復活するので討伐してほしいそうなんだけど」

「なにそれ? まおう? とうばつ? あかり、わかんない」

「まあ、偉い人が私に連絡してくるのだから、きっとあかりが楽しめることなんだと思うわ」

「そうなんだ。楽しみだね」

「そうだね」

 脳内お花畑状態のあかりとランランではこれ以上の話にはならなかったが、案の定、二人は完全に勘違いしていた。

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