ログ4
「もう一度言います。銃を下ろしてください」
「そいつが何か答えるのが先だ」
「貴方にお答えする義務はありません」
「いや俺達には聞く権利がある。なんでジンルイがアクセスキーになるんだ。答えろ!」
互いに銃口を向けたまま、時が凍りつく。不意にベレッタの笑顔がリックの脳裏を横切る、と同時に、集音センサーが微かなリズムを拾う。
沈黙を破りレインのアサルトライフが火を吹いた、続いて爆発音。リックが音の方に向き直ると、見たことの無い小型のヨツアシが火を吹いている。警告音は鳴り止まない。
機体が揺れるほどの振動と共に、頭上の鉄屑たちが崩れ落ちる。それを間一髪で交わすと、目の前に箱が現れる。扉は無く薄暗い室内の壁には、緑色に光る矢印が上を指し示し、連続的に点滅している。
砲撃の振動と銃弾の雨が瓦礫の山を揺らす。迷っている時間は無い。リックは目の前に現れた箱に乗り込み振り返る、レインはガラスケースの前でもたついている。
「なにしてる早く」
「これも持って行きます」
そう言い終えるとこれまでで1番の衝撃が2機を襲う。グラついた態勢を立て直すと、入り口の穴が大きく崩れ、先の見えない暗闇に無数の赤い点が広がっている。
足元が揺れ、箱がゆっくりと動き出す。
「早く!」
いまだもたついているレインを見かねて箱から飛び降りるリック。駆け寄ると2人でガラスケースからジンルイを引きずり出しリックが肩に担ぐ。ゆっくり上昇する箱に駆け寄ると、ジンルイを投げ入れ飛び上がる。後少し、ぎりぎりで縁に掴まるとなんとか這い上がる。遅れて飛び上がるレインは、箱に届かず重力に捕まる。が、間一髪で落下する腕を掴み引き上げる。急浮上する箱。それと同時に砲弾の雨が降り注いだ。
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