第12話
「どうして前から好きだったって言えないんだろう。一言だけなのに。」
「拗らせてるねぇ。でもある意味そこがお姉ちゃんにささるかもしれないけど。」
「前はきっかけだけあればと思ったけど、今はもっとって思っちゃう。」
もっとあの人とって思う。
焦ってはいけないのは分かるけど、どうも欲深いようだ、私は。
「まぁ、もうすぐ体育祭だしもっと仲良くなれるんじゃない?」
「体育祭…。」
「イベントで距離近づくっていうしね。」
そっか、体育祭。
どこまで仲良くなれるかわからないけど、距離を縮めるチャンスなのは間違いない。
「頑張るよ。だから綾乃ちゃんもできるだけでいいから手伝ってね。」
「もちろん。サポートはしてあげるから、そろそろキスくらいしちゃってね。」
「キッ…!?」
なんてこと言うんだ、この子は。
綾乃ちゃんは学校でも清楚で有名なのに。本当は結構恋愛についてはサバサバしているというか。
「色々進まないともっと人気出ると思うよ?お姉ちゃんって運動は得意だし下手すりゃそのへんの男子よりカッコ良いから。」
「それは…嫌だなぁ。」
「でしょ?お姉ちゃんの気持ちも大事だけど、押せる時は押さなきゃ。」
でもできるだろうか。
不安しかないけど…他にとられるくらいならやれるだけやりたい。
「うん、頑張る。」
「その意気!」
イベントは近づくチャンス。
もう少しだけ素直になって、可愛いって思われたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます