第7話

大型ショッピングセンターのとある雑貨屋。

大抵のものはここで完結できるし、なんなら同施設内に似たお店が数多くある。


「先輩は綾乃ちゃんのプレゼント、目星はつけていたりします?」


「そうだね、万年筆とかどうだろう。」


「高校生が万年筆使うと思います?」



うーん、使わないかなぁ。

去年も悩みに悩んだし、毎回難しいんだよね。



「どういうものがいいと思う?」


「やっぱり実用的なものですよね。私はエプロンって決めてますから。」


「エプロン?なんでまた。」


「家事は基本綾乃ちゃんがやってるでしょ。」


あぁ確かに。

朝ご飯とか朝早く起きて制服にエプロンだし。

お弁当も用意してくれて本当に出来た妹というか、性格もいいから天使といっても過言じゃないというかマジ可愛すぎる妹で…



「先輩、気持ち悪いんですけど。」


「え、」


「今考えてること顔に出てます。」


「おっと。それは申し訳ない。」


「はぁ。私、細身なのに出るとこ出てるからめちゃくちゃスタイルいいし、ものすごい美少女だから声かけてくる人も多いいんですよ。」


「うん?」


「だからちゃんとしてくださいよ。恋人なんだからせめて弾除けになってくださいね。」


恋人ってこんなドライな関係だった?

弾除けの存在だったっけ…。ものすごい冷ややかな視線だよね…。



「先輩、これなんてどうですか?」


「え?あぁ、こういうのもアリかな。」



やっぱり私は嫌われているのでは?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る