第3話
「さなぁ…!」
突然自分の名前を呼ばれハッと我に返る
「は、はいいいい、何でしょう⁉」
あれから一週間たち、お互いを呼び捨てで呼べる仲になった
瑠香は言いにくそうにさなを見つめる
「あのね…、実は…」
瑠香の表情を見てさなはニヤッと笑う
「教科書ね」
それを聞いた瑠香はパッと目を輝かせる
「おぉ、さっすが~、分かってるねぇ~」
「ふっふっふっ~」
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授業
あーあ、やっぱり退屈だ
さなは特に勉強ができることはない
テストもいつも平均以下のレベルだった
それに比べ瑠香は賢かった
いつも教科書を忘れるのにギャップだ
「瑠香ぁぁ、分かんないぃ…」
「ちょい待ち、ここだけ書かせて ………よし、何?」
「分かんないでっす」
「おぉ、お主分からないでござるか、教えて差し上げましょう」
とこんな会話が好き、こんな日常が好き
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帰り道
「はい、アイス」
といつもの笑顔で差し出してくるアイス
本当に申し訳ない気持ちになる
「…ありがと、でも悪いよ、もう」
瑠香はしばらく無言の後、すぐに笑い出した
「あはははははっ、気にしなくていいの、私があげたいだけだしw」
そういい、差し出してくるんだ
「ありがとね、いつか必ず恩返しするから‼」
そういい、アイスを受け取る
「恩返しねぇ…」
瑠香は微笑してアイスを一口かじる
「これめっちゃ美味しい‼ 夏にぴったり‼ さなも食べてよ‼」
「うん、じゃあいただきます」
シャリッ
口の中に甘い液体が流れる
ソーダ味だ
とても美味しい
「…美味しい」
「よかったぁ~‼ これ新作なんだよ~、失敗しなかった‼」
明るい瑠香に毎度癒される
「ふふっ、美味しいねぇ…」
その時
「よっと」
瑠香のアイスが3口くらい削れる
「はっ⁉」
「うわ~、これうんめぇ‼w」
龍馬だ
龍馬が瑠香のアイスをかじったのだ
「ありがと~、瑠香さんよ~」
瑠香は龍馬の態度に怒り始める
「龍馬、何勝手にかじってんのよ‼」
「おぉぉ~、怖ぇ~w」
龍馬はふざけたように瑠香の顔を覗き込む
「ふざけないでよ‼ もうこのアイスいらないわよ、新しいの買いなさいよ‼」
瑠香はガチギレだった
「え、ラッキ~、ありがとな~w」
龍馬はアイスをもって走って逃げていった
「龍馬ァァァァ‼」
瑠香は龍馬を怒鳴った後、ため息を一つついた
「マジあいつありえない…、ね? これだからあいつはやめたほうがいいよ…?」
「仲良くていいじゃん」
心底さなは羨ましがった
「あいつとは幼馴染なんだけど昔からああいう風なのよ…」
瑠香は困ったように眉をひそめる
「私は羨ましいな」
私は瑠香の方を向いてニコッと笑って見せた
瑠香は頭に「?」を浮かべているようだが「なんでもないよ」といい、家に帰った
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長かったですか?
それはともかく読んでくれてありがとうございます泣
それではまた次でお会いしましょう
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