第32話 配信世界での活動結果5
「次が最後の動画だよ! 『拾われたい落穂』さんの切り抜きだけど、この方のは2つあるよ」
拾われたい落穂「遂に来た!」
撒かれたい種「真打登場」
響き渡る鐘「最後にしてもらえるとか信頼されてるね」
希望の向日葵「まだリスナー少ないから認知出来るんだよね」
昼下がりの踊場「メタライブみたいなのだったら覚えてらんないだろ」
撒かれたい種「ハイルちゃんなら登録者五百万人でも覚えててくれそう」
響き渡る鐘「お前らハイルちゃん舐めんな!」
拾われたい落穂「この喜びを噛み締めて今死にたい」
「みんなケンカは止めてね〜 あと、落穂さんまだ動画見てないから死なないで!」
これまであまりリスナー同士のコメント欄での争いは見たことなかったけど……チャンネル登録者が増えて見に来る人が増えるってことはこういうことなんだろうね。目に余るようならブロックしないといけないけど……できるかな? 収益化したての個人勢には、コメント監視して管理してくれるモデレーターさんもいないから自分でやらないとね。
わたしの場合、この世界に来て色んな能力を手に入れてるから、ワンチャン考えるだけで出来たりするのかな?
撒かれたい種「ん?」
響き渡る鐘「お?」
拾われたい落穂「ハイルちゃん今日もVR配信だよね?」
コメントが消えちゃった……すぐに元に戻したけど。
「そうだよ、わたしはいつでもVR配信だよ。どうかした?」
希望の向日葵「一瞬オレのコメント消えなかった?」
拾われたい落穂「気のせいか」
撒かれたい種「だね」
響き渡る鐘「バグかな」
昼下がりの踊場「気のせいだな」
ふぅー……誤魔化せたみたい。誤魔化せたよね?
「問題なさそうだし動画見てくよ〜」
まず一個目の動画。こっちは良いんだよ。これは正常な配信の切り抜きなんだよ。
まずは壺配信の最初の方で、何度も落下して叫んでるシーン。ご丁寧に心拍数の拡大表示までしてくれてる。自分の叫び声を間髪入れずに何度も聞くって、恥ずかしくなってくるね。よく聞くと叫び声木霊してるんだ。
そして、次に山を登って少し落ち着ける場所で、風景を眺めながら風を感じてるシーン。へー、髪の毛こんなに揺れてるんだ。全然気付かなかった。
あと息が上がってきてるのもまとめて切り抜かれてるけど、こんなの聞いて嬉しいの? こんだけ心拍数上がってたらそりゃ息も切れるよね〜 よく見ると汗出てるんだ……これもちょっと恥ずかしい……
こんな流れで、見せ場という程でもない普通の場面が切り抜かれてる。言ってしまうと、前二人の切り抜きの方が盛り上そうな構成だった。
と思ったら、「お分かり頂けただろうか?」とテロップが入った……この流れって、まさかのホラー展開……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます