第23話 配信世界での出会い2
いや、でも、突然来た以上に警戒される必要なくない?
わたしとしてはいつもと変わらず普通に配信しただけのつもりだし……まあ、地図ゲーの方はアレだったけど……っていうか、地図ゲーのあれバズってるのに!?
あの後は気持ち悪かったから公開設定も変えずに寝たからね……切り抜きがどうとかいう話はリスナーから教えてもらったっけ。
そもそも、見てる人少ないから切り抜かれるなんて思ったことなかったから、気にしてなかったんよね。後で絶対見よう。
今はこの子への釈明が大事だ。
「それって切り抜きのこと? それは逆に本人だから知らないんだよね……わたしエゴサしない派だったから……」
「え?! あんなにバズってるのに!?」
いや、どんなになの! 見るのが怖くなってきたんだけど……
「分かりました通話しましょう。通話アプリは……青いロボットの顔のヤツで良いですか? とりあえず立ち上げますね?」
ああ、あれね。ロボットの顔は白いと思うんだけど、確かにアイコンのイメージは青かな。
アプリが立ち上がってきたのをじっと見つめると、ピロンっという音が聞こえた。
まだIDも教えてもらってないのに、個人通話出来ちゃうんだよね〜
こんなことしたらますます──
「うぇぇぇ!! なんでもう入ってきてるんですか!?」
やっぱり驚いちゃうよね。
「ごめんね、なんかよく分かんないんだけど、できるようになっちゃって……ホント驚かせてごめん」
「はわ……自分と違って可愛らしいお声……歌みたと一緒だ……いやでもまだ本人とは……」
「じゃあ、共有もしちゃうね」
通話アプリの画面共有機能をお借りして、わたしの姿を共有してみた。これでお互いに顔を見ながら話が出来るね。
わたしは最初からずっとこの子の顔見えてたんだけどね……
「ほわっ!? 御本人様だ!! 失礼しました!」
彼女はわたしの顔を見て、なぜか頭を下げてしまった。
「いや、なんで、そんなに畏まるの! 失礼したのはどちかと言うとわたしだと思うんだけど? 呼ばれてもいないのに、突然お邪魔しちゃったんだし」
「いえいえ! とんでもないです!! 遥か雲の上の方に失礼なことをしてしまったのです!」
わたしに対してなぜか恐縮し続けてるんだけど、他の誰かと勘違いしてない? わたしはただの趣味でVTuberをやってるだけの一般人なんだけど?
「誰かと勘違いしてるのかもしれないけど、それなりに長いことVTuberしてるとはいえ、わたしは沢山いるごく普通のVTuberでしかないんだから、そんな恐縮しないで」
「ごく普通!? ハイルさんは今や上位一割に入っていってるんですよ! 既に壁を越えていらっしゃる方なので、底辺から見上げれば等しく雲の上です!」
ブンブン腕を振りながら力説されてしまった……わたしも底辺だったはずなんだけど?
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