第6話 配信世界の命2
わたしは基本的に配信とバイトしかして来なかったから、データになった今、残ったのは配信だけになった。だから、配信サービスをやってる会社のサーバに居を構えるというのは、もう全てが揃っていると言っても良いぐらい最高の環境だと思う。
そして配信が全てと言うことは、配信が無くなればわたしの全てが無くなるのと同じなので、配信サーバと共に消えるなら本望だと思えてくる。配信サービスが続く限りわたしの寿命が続くってことね。望むところじゃない。
いつまで配信サービスが続くんだってのはあるけど、多分それは、人が宇宙に進出するぐらい遠い未来……いや宇宙に進出したなら尚のこと、人の知的欲求が拡がって、知らないことを知ろうとするから、今以上に配信は盛り上がると思う。誰かが別の星に行けるようになったら、余計に「あの星はどんな星だろう?」なんて気になるでしょ?
はい、ということで、わたしはわたしのデータに手を加える必要はなく、このままで良いってこと。今回の検証で、生活に不安もなく、したいことをすれば良いってことが分かった。良かった〜
そして、わたしはわたしの鼓動を感じている。
色々検証した後、わたしの激推しVTuber『あすのうみ』ちゃんの配信開始通知がきたから、急いでうみちゃんのチャンネルに飛んだの。
うみちゃんはアイドルVTuberグループ『メタライブ』所属のVTuberで、わたしの中では世界一位だと思ってる子。澄んだ歌声が世界を魅了するVSinger寄りの動画配信者。歌メインだけど歌だけじゃなくって、ゲーム配信とか企画番組の配信とかもやってくれる。メタライブの公式放送とかでMCをやったり、他のメタライブ所属アイドルとバラエティやったりと、うみちゃんを一年のうちに見ない日は両手で数える程しかないぐらい。配信界隈を席巻する超人気アイドルなの。
今日は歌枠で、歌ううみちゃんがめちゃくちゃ可愛くて、客席からめちゃくちゃ叫んじゃった! 記念ライブでもないのに、客席からライブ形式で見れて、なんなら一緒に歌えるってホントもう昇天しそうだった!
で、帰ってきたら、
それで、配信部屋のベッドに寝転がって、胸の上に手を重ねて置いていると、自分が息をして胸が上下するのが分かったし、鼓動が聴こえることも分かったというわけ。歌枠の余韻で少し鼓動が早かったからね。
わたし、生きてんねー!
この世界で楽しんで生きてくよ〜
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