2日目
神々の気まぐれ、ナイスタイミング Σ(゚Д゚)。
ラジオは5時に起きる。
……まだだ、まだ、その時ではない。
ラジオは5時41分に起きる。
……まだだ、まだまだ、その時ではない。
ラジオは6時28分03秒に起きる。
……まだだ、まだまだ、その時ではな────
ラジオは、職無しである。にも拘わらず、いつものラジオは6時50分に起きる。そういう習慣のせいで、この様に旅中でも良く起きてしまうのだ。
目を開け、急いでスマホを確認し、遅刻してないと安堵すると、また眠りにつく。
こうしてラジオは4度寝した。
何故か寝るほどに疲れるという、謎の習慣であった。
朝の8時半には昨日別れたばかりの同行人と車にて合流し、本日の予定を練る。
少しの会議を経て、朝の内に
道中、雪が降り、止み、また降る。山を越える度、変化する天気。少しの緊張を経て、2時間と少し。ラジオ一行は
が、天候が悪化し、付近はもやだらけ。とてもその姿を拝めず。ふもとまで行ったが、やはり駄目。
これは止む無し、運がなかっただけである。
ラジオは己をそう励ましながら山道を降りて行った……その時!!
奇跡が起こる。
晴れた。そう、晴れたのだ。
現れる
ラジオは心の底から感動した。
語彙が少ないラジオにはそれしか思い浮かばぬ。
ラジオは思う。この感動は、胸(脳)を満たすモノの正体とは、信仰であると。こんなモノ見せつけられたら、只人は祈る事しかできない! という思考が頭(胸)を満たす。急いで跪かなくては、祈りを奉げなくては、マットと祭壇と蠟燭はどこだ???
なので危うく写真に収めることを忘れるところであった。
このマヌケめ。
歌ではこの地を樹の真下にある迷宮の入り口とし……というようなことを考えつつ撮影を終了。
ラジオ一行は次の目的地である福岡の博多へと車を走らせた。
この時神々の気まぐれの予測を専門とするシャーマンが曰く、現在の中つ列島上空には強力な寒波が幅を利かせており、まもなく冬が降り注ぐだろうというお告げがあったという知らせが届く。
ラジオと同行人はそれを聞き、再び車を操りながらの協議に入る。
結論として、お告げを解釈すると午後3時には冬が到来するだろう。そしてこの車は冬への備えがほとんどない。なので博多に着き、知人の案内で食事をしたのち直ぐにでもUターン、大分へ帰ろう。
ということになった。
が、しかし。
神々は本当に──いやそりゃぁもう本ッッッ当に気まぐれで、しかもドンピシャのタイミングで物事を起こすのだ。
異変は丁度高速を降り、博多市内に到着したその時から始まる。
時刻は12時を迎えた頃。
降ってきたのだ、様々な形状を持つ冬が!
最初は朝と同じくちらほらと。
ふむ、お告げよりちと早いがこの程度なら……
ところが。
博多駅前に着き、さぁ次は焼肉店があるという目的の市場があるという吉塚まで、などと考えている間に、冬が激しさを増す。
凡そ10分ほどであったろうか。
猛吹雪へと変化したのは。
本当にあっという間、見ている内に、という感じに。
視界は一気に狭まり、道路にはすさまじい勢いで堆積していく。
これは不味い。非常に、もっのすっごく、ヤバい。
何故って、ラジオ一行の車にはチェーンタイヤがない。そのためこの勢いで進んだ場合スリップの連続となり、進めなくなってしまうのだ。
合流予定の知人も危機を察知したのか、物凄い勢いで文を飛ばしてくる。返事を貰おうと伝書鳩が車内で暴れまわる中、ラジオと同行人は会議の末、知人の警告通り直ちに大分へ引き返そう、という結論になった。
急ぎ車に馬草を補充し、コンパスと追跡機能付き地図を頼りに車を走らせる同行人。免許がないのでただそれを見守るラジオ。
そして…………
ラジオと同行人は、行き倒れた。
ォォオオー!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ オオォォー!!
次回に続く!
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