シルフとお出かけ
第23話 悪役。シルフと目立つデート……?
「愁さん! 長いお休み期間なので私と明日お出かけしに行きましょうです!」
「シルフ…か……わかった、いいぞ」
シルフなら多分大丈夫だろう。
「予定も決めています! それでは明日の10時半にしましょうです!」
「オーケー、それじゃあまたな」
「はいです!」
うむ、やはりまともな奴だ。
「それではです!」
「おう」
「なあ……」
「はい?」
「なんで翼出してんだ?」
「楽なのです!」
「……そうか」
凄え目立つ。輪のせいで目立つというのに背中に翼を出してるせいで目立ち過ぎてる。
パシャパシャ カシャカシャ シャカシャカ
凄え写真撮られている。
「何処いく予定なんだ? 出来れば早く行きたいけど……」
「ゲームセンターです! クレーンゲームをしたいのです! あそこの店です!」
「よし早く行こう今すぐに行こう」
癒し枠のシルフは何が欲しいんだろうか。まあ予想出来ている。
「あれです! 欲しい物はぬいぐるみです!」
「そうだよな。レッツトライだ」
カチャカチャとレバーとボタンを動かす。
「ここっ! です」
「おっ! いい引っ掛かり具合だ!」
上に持ち上げられるぬいぐるみ。だけど……。
「ああー!? 落ちてしまったのです……」
「まあまあまあ。何回でもやるんだ、いずれ取れるだろう」
札を見せる。休日だ、金は使ってもいいだろう。
だが1000円使っても取れないシルフ。
「むぅ……難しいのです」
「俺が取ってやろうか? クレーンゲームは得意だぞ」
「敵討ちして下さい! です」
「任せろ!」
慣れた手つきで操作する。
「こんくらいの距離ならいけるだろ」
ある程度出口まで近づいたので頭をガシッと三本爪が掴む。
「行ったな」
見なくてもわかる結果だ。
「愁さん……?」
「ん? なんだ?」
「ギリギリ届いてない……のです」
「そんな引っ掛かり方すんのかよっ!?」
出口のガラス、その上にぬいぐるみが倒れていた。叩けば確実に取れる、だがそれは禁止されている。
「敵討ちは任せた……」
「任されました! です」
UFOキャッチャーが始まる。まあ1発で取れた訳だが。
「やりましたです!」
「おう! 良かったな!」
「次は何しますです?」
「とりあえずゲーセン出るか」
「はいです!」
そしてカメラで撮り続けられる時間が始まる。ぬいぐるみを両腕で抱いてる事もあり人気が出ている様だ。
「見た目の割には翼デカいな」
「翼はそれぞれだと思うです。シェリちゃんの黒の翼は凄く小さいです。飛べないぐらいです」
「マジか、アイツ飛べねえのか」
それは意外だな。
コイツが学園に行くと男は何人か暴走してしまう。それを対処するのが先生の仕事……なんかすいません。
「あっ! あそこ行きたいですっ!」
「猫カフェか、いいぞ」
「待ってて下さいです! 猫ちゃん!」
あくまでも猫目当てなのね。猫カフェ行くの初めてだなぁ〜。 問題が…起きないといいけどな……。
猫カフェに入店し席に着く。可愛い猫達だ。気づくとシルフはいなく、猫の所に行っていた。俺は1人でコーヒーとチョコケーキを注文する。勿論シルフの分も。だがシルフにはコーヒーではなくオレンジジュースにした。
「ふむふむ、ここも美味しいな」
丁度良い甘さをしてるな。
「おーい、シルフ。ちゃんと食べろよ」
「あっ、今食べますです!」
俺は食べ終わったので猫と遊ぶことにする。
「なんだ? マスクが欲しいのか?」
だがすまんな、これは俺の顔面を隠すために必要なんだ。
「ニャッ」
「……んえっ」
サングラスとマスクが強引に取られる。それは勿論、怖い顔が露わになるという事であって……。
「ウニャッ!? シャーー!!」
「え、あ、なんかごめん」
マスクとサングラスを再び被る。うん。凄く威嚇されてる。やめてくれ。
「早い所出ようぜ?」
「わかりましたです!」
お会計を済ませ店を出る……。
待っていたのはカメラを持った大量の人たちだった。
「だからさぁ……シルフは有名人なのかよっ!?」
なんだかんだ一番目立った日だったな……。
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