妹とお出かけ編
第21話 悪役と妹でショッピングデート……?
「お兄ちゃん。明日のお昼にお出かけしようよ」
「え? 2人でか?」
「うん。女の子と行けて嬉しいでしょ?」
「いや全然」
「蹴るよ?」
「すぐ暴力に出るな」
まあ暇なので出かけるか。
「目的地はあるのか?」
「ショッピングモールだよ。それじゃあ明日行こうね!」
「はいはい」
明日の昼、ショッピングモールでは〜。
「あ、水着買わないと!」
お、そのぺったんこに何を被せるんだ。
「お兄ちゃんも一緒に見て選んでよ」
「知識がないんで」
「だったら似合うか似合わないかを見てよ」
「それくらいならいいぞ」
「それじゃあ私は選んで、試着するから」
店員さんと話、似合うのを決めている様だ。
そして試着室へ〜。
「おお」
まあ定番のビキニ、だがどうだろ……コイツには似合わない…か……?
「一旦保留で」
「その選択肢もあるね。それじゃあ次はこれかな」
花の様なヒラヒラが着いた水着……んー。……よくわからん!
「まあ良いと思う」
「そう? なら次はこれかな」
上部にヒラヒラがついた黒いワンピースだ。
「それじゃないか?」
「ならこれ買おう」
一応、俺の水着も選んだどくか……。
俺が選んだのは青い海パンだ。定番だろう。
「次あのお店行こうよ!」
「はいはい」
そうして入る。
「おお、耳飾りとか髪飾りがあるのか」
「うん。似合うの選んでね」
「お前の見た目なら……」
黒髪の妹、俺も黒髪だ。何が似合うかな……?
「この緑のイヤリングとかか?」
宝石デコレーションのイヤリングだ。
「私の好きな色を覚えてるんだね」
「え、あ、もちろんもちろん……はは……」
偶然当たった様だ。
「髪飾りは?」
「髪飾りは大丈夫」
「そうか。……おっ!?」
「どうしたの?」
「懐かしい〜!!」
一つの髪飾り。悪役じゃなく、中身の中の記憶だ。俺が6歳くらいの頃だな、仲の良かったお姉ちゃんに髪飾りを付けてもらったんだ。それと同じだった。
「懐かしい……?」
「あ、気にしないでくれ。俺の話だ」
「お兄ちゃん髪飾りとか持ってたっけ?」
「気にすんな、見た事があるってだけだ」
「ふーん」
いやぁ、良いもの見れた。買いたいけど……まあいつか買うか。
「それじゃあお会計してくるね」
「おう」
「どうどう?」
「着けてきたんだな。似合ってて可愛いぞ」
耳飾りはもう着けてきた様だ。この店の位置は覚えておかないとな。
「次はどこ行くんだ?」
「フルーツジュースを飲みに行こうよ!」
「はいはい」
「お兄ちゃんは何飲む?」
「俺か? うーん、偶には違うの飲むか」
何にしようか……そうだな……。
「メロンジュースで」
「わかった」
妹はイチゴジュースを選んだ様だ。
「はい」
「ありがとよ。次は何処行くんだ?」
「映画館だよ!」
「映画館?」
「うん、行こ行こ!」
何の映画を見るのやら……。
「なぁんで俺が女の子のみる様な映画を見ないといけないんだ」
「別に良いでしょ、面白かったし」
「まあそれは否定せんけどさ」
たださ……そんな映画に俺の様な奴がいたら変な目で見られる訳であってね……?
「最後に花火見に行こうよ!」
「え? 花火なんてあんのか?」
「うん、あるらしいよ」
「まあ行くか」
皆んなで行っても良いと思うんだがな……。
「ふぇっ!?」
「ああ、すまんな妹。指が当たった」
ってかよ、会場というか……人が多すぎる。
狭くねえか?
1発花火が上がる。綺麗だな……俺が全属性使えたら少し工夫して花火をカラフルに出来そうなんだけどな……。
「久しぶりに見たね」
「だな〜……」
ちなみに、悪役になる前に、花火を見て寝たのであまり久しぶりではない。だか花火はいつ見てもいい物だ。心が癒される。
ここ最近は色々ありすぎだ。
ゲームの悪役に転生した事。
死にかけた事もあった。
疲れているのだ、体も心も、だからこういう時間は癒される。
夜という事もあって気持ちのいい冷たい風が吹いている。
ハートマークの花火が打ち上がる。
なんだかんだ一番癒された日だったな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます