第18話 悪役は我さんを蘇生する

「がっ……」


魔力切れ……なんでだよ……。せめて、天使達の魔力を多めに取って欲しかったな。




「ああ、日記書いた人か!」


我というからわかった。


「日記? 愁、どう言う事?」

「ああ、これだよ、シェリが書いたんだろう?」

「うん、間違いないですね……」


「やっぱりか。てかさ、キア達はどれくらい魔力取られた?」

「25万」

「同じく25万です!」

「俺の魔力どれくらいかわかる?」

「50万だと思いますよ」

「……なんでッ、なんで俺だけ!?」


何故アイツらは平等に取られて俺だけ全て持ってかれたんだ。最優先順位が俺ってどう言うことだよ。


「忖度だね」

「マジかよ」

「聞きたい事があるんだが……もうその魔法は使えないのかな……?」

「わからんな、それは試してみないと」

「多分出来ないと思うよ」


「え? そうなのか?」

「詠唱で原初の魔法って書いてたでしょ? 本で見た事あるんだけど、ある魔法は使用制限があるんだよ」

「それが原初の魔法だと?」


「うん、まあ予想だけどね」

「ってか魔法陣が消えてるんだが?」


魔法書から原初の魔法の魔法陣が消えていた。


「やっぱり予想は合ってるかも」

「そう…ですか……」

「まあ輪廻は殺しておいたから」

「一応結構ヤバい事言ってるよ?」

「警察にバレたら捕まるな」


まあでもあれは…ね……?


「それじゃあ俺は寝るわ、お前ら部屋出ろ」

「はいはーい」


3人を追い出し鍵を閉めて俺は睡眠を取った。




「愁よ、住む人数が増えすぎだ」

「だよね父さん。はあ、俺は寮に住むか〜」


ついでに学園長に面倒な奴ら2人分を学園に入れていいか聞きたいな。


学園に移動中〜。


「学園長、天使1人、悪魔1人を学園に新入生としていれてもいいですか?」

「オーケー。君と同じクラスにするね」


って事で家に帰り伝えて寮に移動中〜。


「誰やねんお前」

「おいおい、蒼也だよ」

「いや、何故ここにいる」

「暇だからな」

「そうかい。そうだな、会話のネタを持ってるぞ」


「おっ、なんだなんだ」

「新たな天使族と悪魔族? が入ってくるぞ」

「マジっ!?」

「うん、マジ」

「見た目を教えてくれよ!」


「そういう時だけ元気出るのな。まあ見た目は教えん、どうせいつかわかるからいいだろ」

「それもそうだな」


会話のタネを使ったが会話続いたのはたった5秒だ。


「そろそろクラス別対抗戦だな」

「あー、そっか、だが俺達のクラスは有利だぞ」

「え? 何でだ?」

「天使と悪魔がこのクラスにいるからな、実力はこの学園最強。だから3勝する事は確実、蓮もいるから4勝はいける。まず3勝出来る時点で俺達の勝ちは確定しているんだよ」

「た、確かに……」


クラス対抗戦とは。一つのクラスから5人選抜する。順番を選び一対一、先に3勝したチームの勝利、という事だ。だから俺達のクラスの勝ちは確定しているという訳だ。


「だけどな、嫌な予感がするんだ」

「ん? どうしたんだ?」

「いや、学園長が何かしてきそうだなぁ〜って」

「あー、ありそう……」

「まあ勝つ確率は高いけどな」


流石に天使達を出禁する事はないだろう。


「こういう狭い部屋もいいな」

「だよな、やっぱりわかってくれるか」

「落ち着くんだよな」


やはり陰の者としての才能がある様だ。


「愁は誰かに恋心を抱く事はないのか?」

「俺か? 多分ねえんじゃねえかな、俺にも目的があるんでね」


考えることはバッドエンド回避だ。……少し前にバッドエンドになりかけたが。


「目的かぁ……どんな目的かは教えては……」

「くれないな」

「だよな」

「目的を秘密にするのは当たり前だろう?」

「人それぞれだと思うけどな」

「俺は秘密にするタイプなんだよ」


急にバッドエンド回避が目的とか言っても理解してもらえないだろ。


「愁、なんか飲み物はねえか?」

「俺の部屋にはコーヒーしかないぞ」

「げっ、なんでだよ」

「コーヒーが好きなんだよ」


棚を開ける……コーヒーで全て埋まっていた。


「なんだぁ? 愁は趣味とかないのか? 漫画読むだの色々とあるだろ?」

「俺に趣味はないな……作った方がいいかな?」


「暇潰しにはいいぞ。何か作っておけ」

「強いて言うならば魔法陣作りかな」

「誰でもやることじゃねえか」

「それが趣味なんだよ」


普通に楽しいんだがな、魔法作り。効果はランダムだからワクワク感がある。


「とりあえずお前帰れ」

「なんか言葉酷くね?」

「帰れ帰れ。俺はお昼寝の時間なんだよ」

「はいはい、それじゃあな」

「おう」


さて、お昼寝〜。


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