どう見てもこの世のものではない奇妙なパチンコ台と、それに魅入られた人のお話。
現代もののホラー掌編です。
明らかに様子のおかしい謎のパチンコ台と、それにまつわる体験を綴ったブログ記事。
言うなれば、ある種の創作フォークロアのような内容で、だからこその生々しい手触りが魅力の作品です。
「最悪死ぬけど嘘みたいな大当たりのあり得るパチンコ」というモチーフ、ギャンブラーのどうしようもない夢の具現化みたいな感じでとても好き。
そして、それが有名な他のパチンコ台の剽窃をツギハギして出来ている、という点も。
安易な似姿を使って人をおびき寄せるところが、とても「碌でもない、禍々しいもの」という感じでゾクゾクします。
最後の最後が大好き。ブログ形式の強みというか、まるで自分に言われたみたいでギクッとさせられてしまったお話でした。