第21話 休息
「さてでは
そう言って教師は指を鳴らすと一気に景色が変わる。
「ここどこ?いつのまに?」
不意に生徒の誰かがそう言うなんせさっきまでの闘技場の景色とは変わって赤暗く周りが岩の壁に囲まれていて不気味な場所だがすぐにここが赤洞窟だと生徒全員が瞬時に理解する。
すると遠くから手を振って人の影がこちらにやってくる。
「おっ!来たか随分と見違えたな」
「どうもこんにちは」
現れたのは男女の二人、二人は生徒と教師に話しかける胸を見ると学園の紋章が刻まれたエンブレルがあるので学園の教師だとわかった。
「
紹介しようこちらの銀色の髪で逞しい体の持ち主のギトー先生」
「おう、よろしく俺が作った壁の登り心地は良かったか?後俺の事はこの筋肉で覚えてくれ」
男性の方が両手を挙げダブルバイセップス・フロントのポーズをとり筋肉を見せつけてくる。
(ああだからこんな腹を見せてるのか)
「次にこちらの緑色の髪でおっとりしているのがカミーユ先生」
「こんにちは〜私がいるからには誰も死なせませんよ〜」
おっとりとした声が生徒達を癒す。
(すごいな誰も死なせないって言い切るあたり余程の治癒能力があるんだろう)
「この通り私を含めたこの3人が今回君たちをもしもの事から助けよう。何か質問はあるか」
「あのーいきなりすぎて追いつけていないんですがどうやって僕らを
(確かに気になる。大体の予想はつくがもしそうだとするならこの人相当強いぞなんせ正確すぎる俺らを一気にここに運ぶのは技術と相当な魔力量が必要なはずだ)
「私がどうやって貴様らをここまで連れてきたか?か簡単な話だ、それは私の職業が関係している何を隠そうと私は世界で5人しかいない…【転移】の使い手であり【
「えっ!先生あの【転移】の使い手のヴァルキリーなの?!」
「やば!俺らの先生がこんなすごい人でいいのかよ」
「すげーな。会えるだけでも凄いって有名なヴァルキリーが先生なんて」
ヴァルキリーそれは一度のとある戦争で有名になった。
天から現れ剣を矢を斧を槍をあらゆる武器を空から落とし時には巨大な岩すら落としたそれはまるで天を操っているみたいに、半年もかかった戦争はヴァルキリーが現れて約1時間で集結した。
そんな生きる伝説が目の前にいるのだ興奮しないものはいないだろう。
少年とクロノス以外。
クロノス以外はあまり興味がないルアですら目を輝かせている。
「クロノスクロノスすごいよあの【
「そうだね」
「キャー嬉しいー話で聞いてたらよりももっとかっこよいい」
『よしちょっと変われ』
(急にどうした?)
『あの女を殺す』
(やめろ。それに殺したらルアが悲しむぞ)
『くそ!今回は許してやる。俺は寝る今回はルアに何かあった時以外俺は介入しないからな』
(へいへい。ごめんな)
「?クロノスあなたヴァルキリーのファンって言って無かったけ?」
「いつの話だよ。俺もう15歳だぞルアしか見れてないわ」
「えっやだ嬉しい」
「はい、私の事はもういいからまずは武器を配る剣盾弓斧メイスある程度はなんでも用意してあるから私の前に並んで後自分で武器を持っているならそれを使ってもいいわ。で怪我した時はカミーユ先生に言ってくれれば治してくれるから武器の扱いがわからないなら私とギトー先生が教えるからまぁ今から教えたところでとは思うかもしれないけど素手よりはいいでしょう。いい
そう言って手を叩く。
教師達に集まる生徒達今日までほとんど休みがなかったので休む生徒達とそれぞれが実戦まで行動をする。
「クロノスはこれからどうする?」
「俺はひとまず自主練かな武器に関しては
「私は武器を習いに行こうかなって思ってる」
「いいんじゃない武器なんて触るの初めてだし教えてくれる側はプロだからね」
「ようようお二人さん今日もあついねー」
「どうしたカズトと隣にいる人は誰?」
「ひどい!クラスメイトなのに僕ってそんな影薄いかなー」
「確かにユウキは陰薄いな」
「お前も!酷くない!味方がいない」
「そうだよみんな酷いよ。陰が薄く立って別にいじるほどの事でもないでしょ」
「お、おうそうだなごめんユウキ」
「初めてこんな優しい人に出会ったかも」
ユウキがそう言った瞬間首元に稲ノ鎌がそっと現れる。
「ほう、どうやら死がご所望のようだな」
「ひー許してー」
「こーらクロノス鎌を向けていいのは作物か魔物だけって決めたでしょ。めっ!」
(あっ、かわいい)
「ごめんなさい。以後ルアには気づかれないようもっと頑張ります」
「もう謝るのは私じゃないでしょ」
「えっ待って今のスルーするの?えっ」
「ユウキごめん次は確実に仕留めるから覚悟しとけ」
「よしよし謝れてえらいねー」
ルアが少年の頭をヨシヨシと撫でる。
「えっ!何俺がおかしいの?クロノス絶対変な事言ってたよね?」
「何言ってんだユウキ普通に謝ってただけじゃん。許せないからってよくないぞそういうのは」
「俺が悪いの?!」
「ユウキくんクロノスもちゃんと反省してるから許してほしいな」
「まぁ謝ってもらえた?から許すけどさなんか俺が悪くなってない?!」
「じゃあ俺とユウキはこれからヴァルキリー先生とこ行って来るわ」
「いってらっしゃい」
「無視?!酷くない!」
「いつまでうじうじしてんだ行くぞユウキ」
「いや待てカズト色々とおかしいだろって待てってあーもうルアさんクロノスじゃあね」
「あっ!待って私もヴァルキリー先生のところに行くから一緒に行こー!またあとでねクロノス!」
こちらを振り向いて後ろで手を組んで少しまえかがみになりこっちを向いた唐突だったからか少年は少しドキッとしてしまった。
(え何あれかわいいかよってなんで俺ドキッってしてんだ?てかなんでドキッてしたんだ?ルアが可愛いのはわかってるがなんで胸が苦しくなるんだ。わけわからん)
「今は鍛錬に集中しなきゃな」
稲刈ノ鎌を持った右手を左の腰あたりにそえて居合の姿勢をとり力を右腕に集中させるだが全力を出すとそれこそ洞窟がなくなってしまうかもしれないのでほんの少しの力にし一呼吸入れたあと一気に振る。
「フッ」
だが何も起こらない風が揺れることもなくただ振り切った姿勢のままでいるが数秒後いきなりボワッと風が吹く。
「俺もまだだな空気に切ったのがバレてるこれじゃだめだ持っとバレないようにしなきゃじゃないと直人を殺す事はできない。まぁ殺しても殺せないからなあいつは全て対策されて終わりだ。だから何にも察知されない斬撃を完成させなくては力任せに振ればいいってわけじゃないちゃんと流れに沿って何よりも速くそして全てを壊せるだけけの威力を出せるようにしなければもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっとあいつを殺すために」
少年はその後も振り続けたがすぐに1時間前になったため集合場所に向かった。
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