第22話 絶望

「よし全員集まったなではこれより赤眼巨人レッドノートの攻略法を説明する。だがこれはとても危険だ失敗すれば死ぬ覚悟してかかれ」

「「「「はい!」」」」


生徒が集合したのを確認し黒板を【転移】させ赤眼巨人レッドノートの絵を描いて説明を始める。


「———するんだ。そうすれば倒せるわかったか?」

「「「「はい」」」」

「では20分後に作戦を開始する!それまでに自分のやることを頭に叩き込んでおけ!いいな」

「「「「はい」」」」

「解散!」


作戦の説明が終わり生徒はみなそれぞれのやるべき事をするために鍛錬をしたり休憩したりして時が来るのを待った。


「ピィーーーー」


集合の笛が鳴る。

瞬く間に生徒は集まり待ちの姿勢になる。


「では作戦を開始する。何度も言うが危なくなったらすぐにカミーユ先生のところにいけと言うか私が送る。ではクロノスとユウキ来い」

「「はい」」

「お前達二人は奴の目を切る係だいいか絶対にしくじるなよもし目を切れなかったら私かギトー先生がやってくれるがチャンスは一度だけだ絶対に成功させろ」

「「はい!」」


少年とユウキは力の入った声で強く返事をした。


「私が気づかれない範囲で送るから着いたら一瞬で切れ」

「「はい」」

「行ってこい」


すると二人の足元に魔法陣が現れ一瞬光ったかと思うと二人は消えていた。

目を開けるするとそこには教師の絵より遥かに厳つい見た目の赤い肌の手は四つの赤眼巨人レッドノートの腹の上にいた。

どうやら今は寝ているようでいびきが響く、二人は音を立てないようにそっとだが素早くに目へと向かう。

目元まで行くと少年は鍬をユウキは剣を持ち赤眼巨人レッドノートの腕と足をみる。

そこには教師によって転移された生徒達がおり武器を構えているどうやら足と腕の腱を斬って動けなくしようとするようだ。

そしてその二人が目を切るのが合図のようで二人が目を斬りつけると他の生徒全員が攻撃を開始する。


「オラオラオラどうだ!」

「せーので斬るぞせーの」

「これ斬れてる?」

「ダメっぽいわ。全然きれてないなんならかすり傷一つない」

「じゃあ」

「うん、そうだね」

「一旦退避ー!」


ダメージが通って無いと知りすぐに赤眼巨人レッドノートから離れる。


「ぐおおおおおぉぉぉぉ!」


巨人が目覚めるもう目は見えないけど。

いきなりだが結果から言おう一瞬だった計画も戦略も意味をなさないたった1秒も無い間に少年、ルア、ユウキ以外全員が消えたいやそう例えるのは違うシンプルに言おう全員死んだもちろん奥に控えていた教師達もきた後にすぐに死んだ。

気を抜いたつもりなんてないでも何処かで舐めていたのかもしれない。

こんだけ頑張ったから余裕だろと今ならいけるだろと強くなったんだから勝てるだろと心の何処かで思っていたのかもしれない。

それがいけなかったのかと言われたらそうでは無い1番の理由は実力が無かっただけだ。

ありもしない自分の力に過信して行けると勘違いした教師そして生徒それが敗北の原因だ。

たかが戦争を一回止めただけでそんな人の訓練を受けたからっと言って成長していると勘違いして実際は一歩も進んでないことを理解出来なくて滑稽だ実に滑稽だ。

少年は頑張ったルアを生かすために赤眼巨人レッドノートと一人で対峙した。

いくら人間の中では最もと言っていいほど優れている肉体でもあ•く•ま•で人間の中でである。

レベルだけでは越えられない種族の壁元々のステータスの高さの差そしてこの赤眼巨人レッドノート特殊変異個体オリジンミュータントであったと言う誤算それがなければ通常個体になら勝てていただろう。

だがそれはもしもの話である。

実際には特殊変異個体オリジンミュータントと当たり死んだ。

まるで風に吹かれて飛んでいく灰のように消えていった。

そして少年も死にそうになっているいやもしかしたらすでに死んでいるかもしれない。

(何もかもが通じない。なんでこんなことになったんだ?そもそも俺はなんでこんなことをしているんだ?俺は自由になれたはずだったのにまた誰かに縛られてしかも他人を縛って昔から土いじりが好きだったから農家になったけどなんでそんな俺が今死にそうになりながら今もなお戦っているんだ?俺は好きに生きれるんじゃ無かったのか?なあクロノス)


『あ?人殺しが何言ってやがる戦えよ。ルアとついでのユウキとやらはどうやら都市の方に戻れたらしいけど』

「じゃあ逃げていいか?」

『バカなこと言うんじゃねーお前は戦え』

「なんで?!もう十分だろ!」

『殺すんだよやつをそれまでお前は戦え』

「クッッッッッッソがあああぁぁぁぁぁぁ!」


通じないとわかっていても攻撃を続ける。

一向に切り傷すら出来る兆しがない。

神から貰った農具だって万能じゃ無い確かに能力は強いだが結局それが通用しなければただの農具だ。

それにずっと攻撃されてて反撃しない奴なんていないだろ?

赤眼巨人レッドノートに殴られ蹴られ踏み潰され握りられ引っ張られるなど色々とされたその間抵抗して攻撃し続けたが全然通じていない。


「いやだ……死にたく…ない」


思い出す、苦しかった日々を虐められた日々を悲しかった過去を辛かった過去を惨めだった前世を何より自分が弱いと言うことを。


「ああ………あい…いやだ…………死にたくない」


今にも泣きそうな表情だが攻撃はやめない。

勝てないとわかってもやめない何故かそれはクロノスにそう言われたからただそれだけだ。


「ごあああぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁ!」


赤眼巨人レッドノート何をやっても抵抗してくる羽虫にいい加減イラついてきただから本気を出して滅殺しようと考えた。


「ごぉぉぐがああぁぁぁぁぁ」


赤眼巨人レッドノートの体が縦に裂ける。


「な、なんだ?」

「ファーア久しぶりじゃな本気を出すのも」

「えっ?!」


と言った瞬間顔面に強い衝撃が来たと思ったら洞窟の壁に激突していた。


「ガハッ」


胸の骨が2、3本折れる。

元いた方を見るとそこには小さい女の子がいた。

透き通るほどの白い肌に赤髪赤眼で赤いワンピースみたいな服を着ていた。


「なんじゃ脆いのー本気を出すんだからもう少し耐えてみよ」

「言葉から察するにさっきまでのデカブツか」

「そうじゃな、だがそんなことはどうでもいいお主の本気を見せてみよ」

「こっちはこれでも死にそうなのにマジで無理だろこれ」

『てかお前の情緒どうなってんの!いろんなことが起きすぎて逆に冷静になってんの?さっきまであんなに怯えて死にたくないとか言ってたじゃん』

「いやなんか逆に強すぎてどんくらい強いのかわかんないから怖くないと言うかなんと言うか俺にもわかんない」

『でもこれで戦えるよな』

「ああこれなら行ける。根拠なんてないけどな!」

「こい捻り潰してやろう」

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