第14話 学園入学②
『おい!クロノス!どうすんだこれ?』
「えっと、どうしようかこれ?」
少年とクロノスの目の前に広がる白眼になりながら口から泡を吹いて倒れている人々。
「やってしまった。どうしよう」
『とりあえず人目につかないところに行こう』
慌てている少年に対してクロノスはやけに冷静に隠れるよう言う。
「これからどうする?」
『そうだなー多分だけどさっきのでほとんどの人が気絶したと思うんだ』
「それでそれで?」
『だから今から学園に行けば遅刻してもバレないんじゃないかな?』
「そうしよう」
と少年が飛び出そうとしたがクロノスが止める。
『待て!』
「どったん?」
『もしかしたらここら辺に俺らを探しに来ている人がいるかもしれない。少なくとも今見つかると怪しまれるしそれでもしバレて入学出来なかったらどうするんだよ俺の目的にも支障が出るじゃん』
「見つかったら誤魔化せばいいじゃん」
『お前が人と喋れるならいいよ?』
「うっぐ……やめてくれそれは俺に効く」
『何ふざけてんだよ。ともかく学園行こうぜ』
「俺どこにあるのか知らんが?」
『それは知ってる。おいおい忘れたのか?』
「おお、ひどまぁいいや何が?」
『俺の能力を』
「まさかあれか?」
『そうそれだ』
「忘れたと言うか普通にキモいんよ」
『なっ!キモいとはなんだキモいとは、ただルアが言ったこと全てを記憶する能力のどこがキモいんだ!』
「いやキモいしそれに能力じゃなくてお前のルアに対しての記憶力が異常なだけだろ」
クロノスは能力と自称しているがただ覚えているだけなのである。
ちなみにルアもクロノスの言ったことなら全て覚えているらしい、互いに愛が重いねいいと思うけど。
『はぁ。これ以上やっても意味がないし時間の無駄だやめだやめ。さっさと学園に行こう』
「いやだから場所わからないんだって」
『そうだったな、まずここはどこかわ流石にわからないから一回変われ』
「わかっただけどすぐに終わらせろよ」
『大丈夫一瞬さ』
少年は意識を胸に集中して部屋に行き扉の前に行く。
「よう。今そっち行くから」
「ああじゃあ俺もそっち行くわ」
「終わったら教えろよ」
「もちろん」
「よし俺は寝るか」
とベットへ行き眠る。
「おー終わったぞー」
「へっ?何が?ー」
「何がって、ああお前寝てたのか?」
「うーんスッキリしたー」
「ははまあ終わったぞ」
「俺もおちょい寝てるからさー学園まで行ってくれない?」
「待て待て俺はこれ以上無理だからお前が行け」
「えーわかったよ。じゃあちょっと待ってな今行くわ」
「おうよくなったら教えてくれ」
「つってもすぐだからよしじゃあ変われるから来ていいよ」
「了解じゃあそっち行くから」
「よしじゃあこれから学園行くかー」
「ああ行ってこい道は俺が教えるから」
「頼んだぜ〜」
そして意識を外に戻す。
「じゃあ案内よろしくー」
『まかせろまずそこの角で右に曲がったらまっすぐ行く』
「わかった」
指示通りにどんどん進んで行き。
『よしここをまっすぐ行って角で左に曲がれば学園の門の前の大通りに出る』
「おおついたじゃん」
『ここからが難所だから慎重にな』
「なんでだ。目の前にあんだからさっさと行こうぜ」
『それでもしも人に見つかったらどうすんだよ。一応お前は職業のランクが高いだけの雑魚を演じて勇者に警戒されないようにしなくちゃいけないって言われてただろ』
「そういえばそうだったな。じゃあどうする?」
『どうしようかな。お前さここの地面掘れる?』
「まあクワがあればいけるけど?」
『ここからまっすぐ地面を掘ってあそこの木々があるとこに行って出れば学園いけんじゃね』
「えーめんどくさいから俺が一瞬で駆け抜けるそれでいいじゃん」
『それも考えはしたが危なすぎるから無いなとは言い切れん。お前ってさルアにさ認識阻害の仮面もらってなかったけ?ほら一年と半年くらい前の誕生日にさ何もらったか俺が聞いたじゃんそんときさ認識阻害の仮面もらったって言ってなかった?』
「ああーそんなんあったなー、でも持ってきてるかな?ちょっと待ってな」
そう言ってカバンを地面に置いて漁り始める。
「これはーなんだ?」
『なんだそれ?』
「俺も知らん」
『お前のじゃ無いの?』
「こんなの入れた記憶な……お!あったこれじゃ無いか?」
『おおー多分それだなじゃあそれつけて学園へ行くか』
仮面をつけて大通りを一応素早く通り抜け門を急いで潜り木々に隠れた後に仮面を外し寝た。
これには訳があった。
『多分だけどまだ時間はあったから学園の門を潜った先で気絶したふりしておけば遅刻判定にはならないはず』
と言うことで学園に入ったら仮面を外して寝ることになった。
まあひとまず学園に入るのは達成だね。
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