第13話 学園入学①

「ついたー」

「……ついたね…」

「もう元気出してクロノス」

「いや元気がないと言うか酔っただけだから馬車走らせすぎでしょ」

「それはクロノスが農業したいって言って途中の村で本当は一時間のはずが六時間もするからでしょ」

「だって俺にとって農業は空気みたいなもんだもん」

「う、甘やかした私も悪いからもう暗い話はおしまい早く行こ。学園生活楽しみだね!」

「そうだね」

「もーなんで興味なさげなの!」

「いや俺まだ酔ってるんだってやめて揺らさないで吐く吐くやめて」

「ご…ごめん」

「大丈夫だよ」

「クロノス」

「うっぷやっぱりちょっと一回学園行くの待ってそこらへんの公園で休もう」

「時間ないけどいいの?」

「なーにルアを抱っこして俺が全力で走れば一瞬で着くさ」

「クロノス……でも道わかる?」

「あっ」

「やっぱりー馬車の時に話したのに聞いてなかったなー、もうクロノスは遅刻しちゃえばいいんだ」

「まって!ちょっと置いてかないでくれマジで道わかんないんだって…う、気持ち悪い」


ここまでを見て気づく人は気づくだろう少年がルアと会話をできていることに、少年はここ数年で19432回ルアや周りの人と会話をしようとしたが恐怖心が勝ち話せずにいたが覚悟を決めたことにより約一ヶ月前に話せるようになった。

いやー人間の成長する姿っていいよね。

(クロノスはこうやってドンドンドンドン私に依存すればいい♡)

……今のは気にしなくていいよ。


「もうしょうがないなクロノスは私がいないとダメなんだから」

「助けてくれー」

「いいよ助けてあげる」

「助かるー」

「ただしクロノスは私に何してくれる?」

「うーんそうだなぁー」

「キスしたら許してあげる」

「え、そんなんでいいの?」

「へ?んーんんー?!」


クロノスはルアにキスをしたしかも唇に、ルアはびっくりして頬が真っ赤になる。


「っぷぁ!な、何するの?!」

「何ってキスして欲しいって言うからしただけだけど?」

「もうクロノスなんて知らない」

「待って置いてかないでー」


少年の声も聞かずにルアはそのまま一人で学園に行ってしまった。

そんな少年を周りは暖かい目で見ていた。


「仕方ない記憶を探ってどうにかするか。うーん確かルアは………………さっぱりわからん。

どうしたものか。まあとりあえずでかい建物目指してみるか?いや王城って可能性もあるからあっ!こう言うのって王城は街の中心にあるのが多いから街の中心以外のでかい建物探せばいいや」


改めて言っておくと少年は頭はいいとは言い切れないので優しい目で見てくれ。

そんなこんなで壁に沿って歩きつつ大きな建物を探しながら歩く。


「うーんそれらしいのがないなー」


それもそのはずまずこの街名を【暴風ストーム】と言うのだがこの街は四つの区画に分かれており中心に王城がある。

そして少年がいるのは学園がある場所とは真反対の区にいるので王城があって学園が見えないのである。

少年が迷子になりつつ歩いていると人が集まっている。


「なんだあれ?なにかやってんのか?多分まだ時間あるし見てから行っても間に合うだろ」


興味津々の少年は一番後ろから眺めてることにした。


「やっぱり見えないなー」


が身長が足りなくて見えない。


「見えないし諦めて学園探すかー」


と歩き始めようとすると。


「早く彼女を僕ちんに渡せ!」


と大きな声が聞こえる。


「そう?僕からしたら嫌がって見えるけど?」

「それはないな何故なら彼女は僕ちんと結婚してるんだもん」

「あ、あくまで予定です」

「でもー僕ちんのお父ちゃんが言ってたよ君と僕は結婚する運命なんだって」

「そんなことはさせないさ僕がね」


と声しか聞こえなく少年は何が起こっているのかわからなかったので人混みをかき分けて行くとそこに広がっていた光景を見て少年の中にあった。

残火が燃え始めた。

その光景は鎧を着た大人を引き連れた子デブがフードを被った人の後ろにいる女性をこっちに渡せと要求していた。

(似ている)

そう似ている。

(あいつに)

少年が思い出した光景それは(強者が弱者をいたぶって喜んでいる)

さらに思い出したことにより少年は怒りの炎が強くなる。

そして少年は殺気を漏らしてしまった。

その殺気は街一帯に届くほど強くある一定の強者以外は誰もが気絶してしまった。

もちろんさっきのフードをしていた人も子デブも女性も鎧を着た人たちも野次馬もみんな気絶した。

たった一人の殺気にやられてしまった。

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