第7話 第六感

それは一時間前の事。

少年は


「ここ……どこ?」


道に迷っていた。

なぜこんなことになっていたのかそれは知りもしない森の中をあっちこっちと適当に歩き更には目印もつけずに移動したのだ道に迷いのは当然だ、がこれには理由があるもし木につけた目印を村の誰かに見られたらめんどくさい事になるからである他にも方法は考えれば良いかもしれないがあいにくと少年の頭はそんなに良くない。

こうして少年は道に迷い一時間前に戻る。


「まあ…いいか感で歩いてたらルアが見つかって村に戻れるか」


そんなバカな考えが意外と功をなしたり………はしない。

気ずいていないが少年は森の奥地に入ってしまっているそれも今引き返しても危険なほどに、少年は引き返すとか自分が今どこにいるのかわからないので、できない話である。


「ここには珍しい草がたくさん生えてるなー、おっこれはシビレ草これは毒草これは薬草凄いなこの森今度からこっそりここにこようかな?バレなければ怒られないし」


と少年が今後の計画を立てているとズシン!ズシン!と地面の揺れと一緒に大きな音が聞こえる。

とっさに茂みに隠れる。


「なんだあれ?やばそうな見た目だなこんなのがいるのか?だとするとヤバいなあいつに俺は勝てそうにない怖いしバレないように帰ろ」


とそんな少年が見たものとは頭がクマでどうがワニ前足がライオン後ろ足がヤギ尻尾がヘビそして翼がドラゴンというよくわからない動物というかなんと言ったらいいのかわからない生物が歩いていた。

少年は野生の感というのか第六感でこいつはヤバいと感じた。

そっと去ろうとしたその時。

パキッ!

木の枝を踏みつけてしまう。

マズイと思って息を潜めるが時すでに遅く。


「ガアアアアアアアアァァァ」


合体生物キメラが茂みを踏み潰す。

ギリギリのところで抜け出せ踏み潰されずにすんだが見つかってしまう。


「…マズイ……マズイマズイ」


と急ぎ立ち上がり一心不乱に逃げる。


「ガアアアアアァァァアアアアァァアアァ」


逃げる獲物を見てあざわらうような声を上げながら少年を追いかける。


「まさかこの森にこんなヤバいやつが住んでたなんて聞いたことないぞっ!ともかく今は逃げなくちゃ。今はまだ死ぬわけにはいかないんだ」

「ガアアアアアァァァ」

「うわああああぁぁぁ」


(マズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ)

生きることだけを考え少年は逃げる。

が、体調3メートル越えの合体生物キメラに追われて逃げ切れるわけもなくあっさり捕まってしまう。


「あああああああぁぁぁぁあああああ」


合体生物キメラに押しつぶされ悲鳴を上げる。


「ガアッガアッガアッ」


笑う。

(同じだ。以前と同じだ。弟に負けて笑われている以前の俺と同じだ転生したのに何も変わってない。ふっざっけんな。俺は誰のオモチャでも道具でもない)


「俺は!…俺だ!」


次の瞬間

少年の体が光だす。

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